ひとつ前の当ブログで取り上げた『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017 スティーヴン・スピルバーグ監督)は、権力の監視をするべきメディアの役割、そこに働く人々の矜持を描いて、メリル・ストリープさん、トム・ハンクスさんの熱演もあり、感動的な作品でした。

同じく、ワシントン・ポスト社を舞台にした映画というと『大統領の陰謀』(1976 アラン・J・パクラ監督)がありましたね。

1972年、再選をめざすニクソン大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」を追及した二人の若い記者の活躍を描いた作品で、ボブ・ウッドワードさんとカール・バーンスタインさんという無名の記者二人をロバート・レッドフォードさんとダスティン・ホフマンさんが演じます。二人の記者の取材を後押しする役をジェーソン・ロバーズさんが演じました。『ペンタゴン・ペーパーズ』でトム・ハンクスさんが演じた役です。ジェーソン・ロバーズさんはこの映画でアカデミー賞助演男優賞を獲得しました。

取材をする二人の記者ですが、ホワイトハウスの職員や退職した元・職員たちは一様に口を閉ざします。先回りして「もみ消し工作」も起こります。しかし、二人の記者はあきらめず、ついに真相をつきとめ、ルポルタージュを発表します。そこで明らかになった陰謀は、ニクソン自身も関与していて、ホワイトハウスだけでなく、FBI、CIA,さらに最高裁までもからんでいたことが発覚するのです。

実は『ペンタゴン・ペーパーズ』とも繋がっていて、1971年「ヴェトナム戦争」に関する機密文書を内部告発したダニエル・エルズバーグさんは「機密漏洩」などの罪で起訴されましたが、評決前にこの「ウォーターゲート事件」が発覚したこともあって、1973年に公訴棄却となったのです。

それにしても、1972年に「ウォーターゲート事件」が発覚、1974年9月にニクソンが辞任に追い込まれ、1976年には映画になっているのですからスゴイことです。 (ジャッピー!編集長)