ひとつ前の当ブログで書いたように、日曜夜に聴いていた『ラジオで語る昭和のはなし』が3月いっぱいで終了してしまい「ロス」に陥っています。

この『ラジオで語る昭和のはなし』の後番組は、お笑い芸人の冠番組で、昨日少し聴いてみましたがあまり面白くなくて、途中で切りました。何だか、最近のラジオは芸人さんの番組が飽和状態に感じます。深夜放送なんかもほとんどがそうで、中身も似たり寄ったりな感じがします。もちろん、「深夜放送」は若者向けの番組ですからその聴取者層に合わせているのでしょうが、昔(当時の若者に向けていた)の深夜放送は違ったように思います。

2019年3月26日に声優の白石冬美さんが82歳で亡くなりました。あの独特の可愛い声から、いつまでも若いイメージがあった白石冬美さんといえば、野沢那智さんとのコンビによる、TBSラジオ『パック・イン・ミュージック』です。

野沢那智さんとの「ナッチャコ」コンビの掛け合いが絶妙でしたね。パターンとしては野沢さんが投稿ハガキを読んで、チャコちゃん(白石さん)がそれを受ける形でしたが、時に下ネタ系もあるんだけど、チャコちゃんの明るく笑いがまさに「天真爛漫」という言葉がピッタリだったなあ。心から笑っているいう感じで、たしか後年、「読むハガキは野沢さんだけ知っていて、私はそれが読まれるときに初めてきくのよ」といった舞台裏を話されていた記憶があります。アラン・ドロンさん等の吹き替えで有名な野沢さんが演技力たっぷりに読み、それをリスナーと一緒に本気で楽しんでいたのですね。

そんな面白ネタのハガキだけじゃなく、毎回、シリアスな悩みや思いを綴ったハガキも読まれて(たいがい番組の最後の方)、時に、野沢さんもチャコちゃんも涙声になってしまうときもありました。僕は「差別」を受けている人からの痛切なハガキを今でも覚えています。僕が初めてなりたいと思った職業が「ディスク・ジョッキー」(←もはや死語?)だったのですが、これはもちろんリスナーに寄り添い真剣に言葉をかける「ナッチャコ」のお二人の放送を聴いていたからです。

声優として、そして深夜放送のパーソナリティとして、僕の憧れの人だった白石冬美さん。今頃は、天国で野沢那智さん(2010年没)と再会、楽しくおしゃべりしていることでしょう。(ジャッピー!編集長)