今日3月8日は「国際女性デー」です。それにちなんで、最近観た「女性運動」に関する映画について書きます。

最近観たといっても、製作は2019年で日本公開は昨年2022年だった映画です。『彼女たちの革命前夜』(2019 フィリッペ・ロウソープ監督)というこの映画は、1970年、ロンドンの「ミス・ワールド」大会に反対し、乱入した女性グループを描いた、実話に基づくものです。この事件については、昔聞いたことがありました。しかし、うっすら記憶にあるぐらいで詳しいことは知らなかったので興味深かったです。日本でも「ウーマン・リブ」という運動が盛んだったことがありましたね。「中ピ連」の榎美沙子さんなんて人がいましたっけ。今、どうしているんだろう?

シングル・マザーのサリーは学び直そうと大学を受けます。その面接に居並ぶ面接官が全て男性だったり、入学しゼミに参加すると、「女性であること」で理不尽な扱いを受けます。辟易としたサリーが「私には“子ども”の席しか用意されていなかった」と言うのが印象的です。日本語には「女・子ども」という言い方がありますが、まさにそういう扱いなのです。

そんなサリーが女性解放運動の活動家・ジョー(ジェシー・バックリーさん)に出会い、次第に過激化していき、「女性をまるで牛の競売のように」並べて順位をつける「ミス・コンテスト」を粉砕しようとするのです。

サリーを演じるキーラ・ナイトレイさんが、映画の出だしはカタブツな感じで、それがグループに入ってからまさに「解放」されていくのを見事に体現していました。

そして、この映画が面白いのは、この「女性解放運動グループ」だけでなく、ミスコンに出た女性の視点も捉え、重層的に描いているところです。(この項、続く) (ジャッピー!編集長)