ひとつ前の当ブログで、昨年末の『紅白歌合戦』で「時代遅れのロックンロールバンド」で共演した桑田佳祐さんと世良公則さんは同じ1978年にデビューしたことを書きました。

当ブログ2021年12月6日に書いたものを再録します。タイトルは「1978年に登場した『サザンオールスターズ』と『世良公則とツイスト』」です。

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ひとつ前の当ブログで書いたように、桑田佳祐さんが「ロックにのって歌謡曲をやろう」と考えていて、サザンオールスターズは『ザ・ベストテン』などテレビの歌謡番組に積極的に出ていました。その同じ1978年に『ザ・ベストテン』にガンガン出演していたのが「世良公則&ツイスト」です。サザンとツイストは同年デビューだし、同じようにロック系ながら歌番組にも積極的に出るという点で、当時の音楽シーンで並び称されていたと記憶しています。

ライバルといっても、デビュー当時、コミカル路線と扱われたサザンと違って、ツイストの方は世良さんの熱唱型のヴォーカル、派手なアクションで完全に「カッコいい」ロック・スター路線でした。桑田さんは当時、楽屋にいると世良さんが入ってきて「ロックっていうのはな……」とか言ってきたそうで、ツイストに対して「あいつら自分たちなりのロックやってたから、それが羨ましくもあった」ようです。

デビュー曲の「あんたのバラード」は、ヤマハ主催のポプコンの入賞曲で、♪あんたに~あげぇ~たぁ~愛の日々を~ といきなり全力投球といったヴォーカル・スタイルがインパクトありました。僕は初めて聴いたときに「あ、演歌だなあ」と思ったのです。これは別にバカにしているわけではなく、ジャパニーズ・ロックは皆、どこか演歌スピリットが入っているというのが僕の持論であります。これはもう日本人である以上、長い歴史、生活風土で培われたその遺伝子に組み込まれているようなものだと思います。逆にいえば、演歌だってロック・スピリットを感じさせるものがあるのも当然だと思っています。洋楽のロックだって、ブルースがあったり、カントリーがあったり、それぞれのアーティストによって核があるのと同じで、日本人のロックにだって日本人ならではの核があると思います。

それはともかく、「世良公則&ツイスト」は「あんたのバラード」のあとも「宿無し」「銃爪(ひきがね)」と大ヒットを連発、サザンとともにテレビにおいて「ロック」と「歌謡曲」の境界線を取り払う2トップになったのが1978年という年でした。

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1978年なんて、ついこの前という感じですが、もう45年も前なんですね……。(ジャッピー!編集長)