このところの当ブログで、『アルプスの若大将』(1966 古澤憲吾監督)に出ていたイーデス・ハンソンさんから、外国人名をもじったペンネームや芸名の話題になりました。

『若大将』シリーズで、田沼雄一(加山雄三さん)が会社員となった第1作(通算で第13作)『フレッシュマン若大将』(1969 福田純監督)では、こんな「もじり」名前が出てきます。雄一の父・久太郎(有島一郎さん)は、色気たっぷりの美人ママ目当てでスナックに通いつめます。このスナックの店名が「ジャッキー」。草笛光子さん演じるママは気があるような素振りで、久太郎はすっかり有頂天になります。この辺の有島一郎さんの演技が絶品であります。

ついには、カウンターの中に入って手伝うまでになり、自分の店「田能久」そっちのけです。ママからも「久ちゃん」なんて呼ばれて、ママと再婚することを夢見る久太郎です。ところが、ママには大金持ちの男と再婚することになっていて、その男の名前が「大梨」です。もうお分かりですね。店名の「ジャッキー」はケネディ大統領夫人だったジャクリーンさんに因んでいて、「大梨」は大富豪のオナシスさんをもじっているわけです。この「大梨」を演じるのが左卜全さんというのがまた笑えます。

この『フレッシュマン若大将』から、ヒロインが星由里子さん演じる澄子から酒井和歌子さんの節子に変わりましたが、雄一は節ちゃんにフラれたと思いこんでしょげています。ママにあっさりフラれた久太郎は「お前もか……」と言って、親子ふたりで肩を組み、♪顔で笑って心で泣いて~と大声で唄うシーンがとても良かったです。

もちろん、若大将の方はフラれたのは誤解で節ちゃんと恋人になり幸せになるのは言うまでもありません。(ジャッピー!編集長)