ひとつ前の当ブログで、金田一耕助ものの角川映画『悪霊島』(1981 篠田正浩監督)では、ビートルズの「ゲット・バック」と「レット・イット・ビー」が使われていたことを書きました。

ビートルズの曲と日本映画というと、『きみの鳥はうたえる』(2018 三宅唱監督)を思い出します。夭折の作家・佐藤泰志さん原作の『きみの鳥はうたえる』のタイトルは、ビートルズの「アンド・ユア・バード・キャン・シング」(アルバム「リボルバー」B面2曲目)に由来しています。原作ではビートルズ好きの静雄がこの曲を唄うのですが、映画では静雄(染谷将太さん)が歌うシーンはありませんでした。。曲の使用料の関係でしょうね。口ずさむだけでも権利関係が発生してしまうのでしょう。(このことは当ブログ2021年12月3日もご参照ください)

最近では、ビートルズを題材にしたドキュメンタリーなのにビートルズの曲がかからないという異色?の映画がありました。『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』(2020 ポール・サルツマン監督)です。

この映画は、監督のポール・サルツマンさんが1968年に北インドにあった、超越瞑想運動のマハリシ師の僧院でビートルズの面々に会ったことを、初公開を含む写真や証言でまとめ、その場所を再訪したものです。

サルツマンさんは、別にビートルズに会いに行ったわけでなく、失恋で傷ついた心を癒やすためにインドのアシュラムを訪れたのです。すると、そこに当時、ジョージ・ハリスンさん主導で来ていたビートルズに出会ったのです。すごい偶然と幸運ですが、隔絶された場所にビートルズと一緒にいた8日間、たくさん撮っていた写真を物置に入れたまま忘れていたというのもスゴイ話です。サルツマンさんの娘さんと話していて思い出し、32年ぶりに引っ張り出してこの映画になったのです。

僕のようなビートルズ・ファンからしたら、よくもまあ「忘れていたものだ」と信じられません。(この項、続く) (ジャッピー!編集長)