ひとつ前の当ブログで書いたように、今年の「オールスターゲーム」でせっかくパ・リーグに佐々木朗希投手、東浜巨投手、山本由伸投手と3人のノーヒッターが顔をそろえたのだから、僕が監督だったらこの3人で3イニングずつ投げさせましたね。
今のプロ野球では、ローテーションをきっちり空けて、球数も細かく制限していますから、「3イニング」投げさせるなんて無理なのでしょうが、ノーヒッター3人という最高の投手で「完封」となったら大いに盛り上がったと思います。
こんな妄想をしてしまうのも、僕の記憶の中に1978年の「オールスターゲーム」が強く残っているからです。この年の第2戦、パ・リーグは、山田久志投手(阪急)が先発、以後、鈴木啓示投手(近鉄)、東尾修投手(クラウン)がそれぞれ3イニングずつ投げ、3人でセ・リーグを「完封」したのです。最初から3投手が3イニングずつ投げることが発表されていて、しかも「完封」を狙っていると公言していたのです。それを「有言実行」したのですから、3投手とも「本気」だったと思うし、自分のイニングで点をとられるわけにいかないと強烈に「ライバル意識」を燃やしたでしょう。セ・リーグをわずか4安打にねじ伏せたのです。
覚えているのは、2番手の鈴木投手が投げ終えた6回のあと、テレビのインタビューにこたえ、汗だらけで責任を果たしホッとした表情で「次は東尾くんですか。きっちり抑えてくれると思います」と言っていたことです。山田投手、鈴木投手が3イニングずつ0点に抑え、バトンを引き継いだ東尾投手、プレッシャーはハンパじゃなかっただろうなあ!
ともかく東尾投手も見事0点に抑えて、宣言通りの「完封」を果たしたのです。当時は、まだ「人気のセ、実力のパ」と言われていた時代ですから、セ・リーグへの対抗意識は相当なものだったでしょうし、普段テレビで映ることもないパ・リーグ選手にとっては大舞台だったから「真剣勝負」だったのです。何だか、今は「仲良し」になってしまい、物足りないものを感じてしまいます。
ちなみに、この山田・鈴木・東尾投手の「完封継投」のあと、第3戦の先発の村田兆治投手(ロッテ)も3イニング投げて0点に抑えたと記憶しています。やはり、パ・リーグのエースとして前の試合の3人に「負けられない」という意地があったと思います。熱い時代だったのです。(ジャッピー!編集長)