ひとつ前の当ブログで、萩原健一さんが1983年に「大麻取締法違反」で逮捕され、その公判中にお母さんが亡くなったこともあり、瀬戸内寂聴さんの紹介でお寺に入って修行していた話を書きました。

その当時、CMを3本やっていたショーケンは「3億円」(当時の金で!)もの賠償金を背負ってしまいました。また、離婚した最初の奥さんとの間の娘さんへの養育費も払わなくてはならなかったのです。使ってくれるテレビ局や映画会社もなく、紹介されて、何と、遊園地の子ども相手のイベントショーで「着ぐるみ」の中に入るアルバイトをしていたそうです。3か月、一日も休まず、「着ぐるみ」に入って汗だくになっていた踊っていたそうです。あのショーケンが! 

その後もいろいろありましたが、這い上がってきたショーケンは、歳をとって渋さを増し、いい演技者になりました。生前に撮っていた大河ドラマ『いだてん~東京オリンピック噺』で高橋是清を演じたのが最後になったでしょうか。出番は少なかったですが、さすがの存在感でした。

『いだてん』といえば、出演していたピエール瀧さんも「薬物」で逮捕され、代役を立てました。逮捕以降のシーンは代役で撮るのは当然だと思いますが、既に放送済みのシーンまで撮り直すとのことで騒動になりました。個人的にこれはどうなんだろうと思います。こうなると、『いだてん』にピエール瀧という人物は関わっていない、なかったことにしたいわけです。いわば、「ピエール瀧」という一人の人間の存在を否定するということです。過去の回を配信しているとか、1年間放送したあと、DVDとして発売するという事情があるのでしょうが、何だか怖ろしい感じがします。昔は、同じようなケースで「この作品は逮捕前に収録したものです」とかテロップ流して済んでいたと思うけど、今じゃ、「炎上」とかに先手をうっているのでしょう。

ともかく、売れっ子タレントだったピエールさんは莫大な違約金、賠償金を請求されるでしょうね。事務所の契約も解除となってしまいましたが、またしばらくしたら復帰となるでしょう。しかし、特にコカインは依存性が強いといいますし、年齢がいっているほど「絶つ」のは難しいようなので、まずはちゃんと治療をしないと、田代まさしさんや清水健太郎さんと同じ道になってしまうでしょう。と、思ったら、今年『ゾッキ』(2021 竹中直人、山田孝之、斎藤工監督)に出ていましたね。ムショから出所した男の役で。

ショーケンによると、麻薬の再犯のほとんどが「友人関係」にあると語っています。誘惑する友達がいるから、また手をつけちゃうことになるそうです。ということで、ショーケンは友人関係を徐々に遠ざけていき、断つことができたそうです。(ジャッピー!編集長)