運転中
この曲のイントロが流れると
決まって
音量を上げた。
その当時
たまに助手席に座っていた女は
独り暮らしのマンションのトイレの中で倒れ
戻した物を気管に詰まらせて死んだ。
元々
カラダの弱い女だったが
あんな死に方をするとは
当然
思っていなかった。
どう贔屓目に言っても
お尻の軽い性悪女だったが
あの女はあの女で
自分を本当に愛してくれる男
本当に幸せにしてくれる男を探していたのだと思う。
女の
傷み浮腫んだ死顔は
生前の美しさを僅かに留めていた。