腹膜播種センター 米村医師の論文についてシェアです。

論文の題名は、

Comprehensive treatment using cytoreductive surgery combined with perioperative chemotherapy improved outcome of olorectal cancer patients with metachrounous peritoneal metastasis. Jpn J Cancer Chemother. 44;(12): 1939-1942, November, 2017.

大腸癌腹膜播種再発に対する包括的治療の効果:癌と化学療法2017, 44;(12): 1939-1942,
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この雑誌は日本で発行され、主に日本語で書かれているにも関わらず、PubMedという世界の医学論文を紹介するサイトで認定されている雑誌です。

世界に発信するためこの雑誌に投稿するときは、敢えてすべて英語でしているそうです。

以下、概要です。
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大腸癌の腹膜播種再発は主に全身化学療法のみで治療され、手術適応はないし、予後も極めて不良と考えられてきました。

今回は大腸癌の腹膜播種再発に対し腹膜切除+HIPECを行った例の生存率を解析してみました。

対象は過去10年間に手術が行われた291人の大腸癌腹膜播種例です。 

142例が最初から播種があった例で、149例が大腸癌の治癒切除後に腹膜再発した例です。

これらの症例に対し腹膜切除+HIPECを行いました。

5年生存率は再発例でも38.9%と良好で、最初から播種があった例と同じでした。

また、術後合併症は16.5%で安全に施行できることがわかりました。

予後がよいグループは小腸の転移SB-PCIが2以下, 腹膜播種係数PCIが14以下、組織型が分化型 で完全切除できた例であることがわかりました。(PCIについては過去のブログをご覧ください。)

このような成績は世界で今まで報告がなく、腹膜再発大腸癌の患者にとって朗報です。
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