おとうさん。おはよう。

  帰って、きましたよ。ご苦労様ですよ。

  年甲斐もなく。われながら、よくぞ。ついて、いけました。

  これも。我が家の。みんなの、サポートが。あれば、こそ。有難うですね。

  きのう、道の駅で。あった、おばさん。軽四で、一人旅。

   「私は、山ガール。」って、いってたけど。

   周りを、見れば。道の駅は。軽四ばかり。

   知らない、うちに。和気あいあい、ってね。

  おとうさんが、元気だったら。盛り上がる、でしょうね。

   おとうさんは。話好き、だったから。

  おかしいのは、ねえ。

  「何か月かけて。回って、るんですか。」って、聞くんですよ。

   あんな。欲張り旅行、してるなんて。思っても、いないんですよねえ。

  「ここ。クーラー、いらないね。」って。言ってたのに。

   きょうは。セミの、声で。おこされましたよ。おとうさん。

  きのうは。さすがに、キュウバタン。起きれば、セミの声。笑えますよ。

   台所で。寝ていたん、ですからね。

  おとうさん。元気だったころ。

   「おとん。泊ったら、ええのに。」って。

    息子から。いわれても。

   「さあ。かえろう。」って。

   「せっかく、やのに。」いうても。

   用事を、すませると。さっさと。うちに、帰って、いたけれど。

   あの、気持ち。

   『狭いながらも。楽しいわがや。』って。

   どんなに、暑かろうと、大変だろうと。

   我が家が、一番だよね。なぜか、落ち着くん、だよねえ。おとうさん。

  そうそう。インコの『ぼた』だけど。

   大事にして。もらって、いたようですよ。

   それなのに。帰って、くると。

   「かあちゃん。かあちゃん。」て。

   一晩中。言って、いるんだよ。

  そして。返事を、しなかったら。

   「見てー」って。叫ぶんだよね。

   あんなに、でんぐり返り、してたら。疲れるだろうに。

    わたしの。気を、引こうとしてね。

  「なんや。こいつ。俺らの時と、違う。」って。

   息子は、言うんだけどね。

  そのうち。自分たちの。子どもが、できたら。わかるよね。おとうさん。

   『ぼた』の、気持ちがね。おとうさん。

  だって。『ぼた』にとって。

   わたしは、『かあちゃん』で。

    おとうさんは、『とうちゃん』なんだものね。

     ねえ、おとうさん。