おとうさん。おはよう。

  「災難は、思わぬところに・・・」とは。よく、いったもの。

  あの、有名なアニメ、『千と、なんとかに。行けるで。」いうて。

   走って、いたら。

   「あっ。通行どめやん。」

   どの橋も、どの橋も。通行止めでね。

   むこう岸に、渡れないん、だよね。

  それは。残念、だったんだけど。

   地元の、人が。

  「あんたら。向こう岸に、渡りたいん、やったら。」

  「あっちを、迂回したら。まだ。むこうに、行けるかも。」いうて。

   色々、教えて。くれたんだよね。

   みんな。ほんとうに、やさしいん、だよね。

  結局。そこは、なんとか、なったんだけど。

   あと、数キロって。ところでね。山崩れだよ。

   「あそこの。手前の道で。がけ崩れ。」だって。

   またも。通行止めだよね。おとうさん。

   「もし。後、半日。早かったら。行けとったかも。しれん。」

   「そやけど。帰れんと。孤立しとったかも、知れんし。」

   「それ、思うたら。これで、よかったんや。」いうてね。

   頑張って。運転してた、割には。息子は。納得、納得ってね。

  それより。親切に、してくれた。地元の方の。心配を、してるんだよね。

   だって。高速道路だって。どこも、かしこも。通行止め、なんだものね。

  今回の、旅は。つぎから、次に。思わぬことの、繰り返しで。

   経験したことのない、ことに。ぶつかる、毎日なんだけど。

  出会う、人たちは。みんな、あたたかくてね。

   なんか。得した。気分だよね。おとうさん。

  きのうの、大学生さんだって。迷ってる、私たちに。

   あの、暑さの中で。私たちに。最短コースの、道を。教えようと。

   色々。頑張って。くれたんだ、ものね。

  目的は、目的。それが、たとえ。かなわなくても。

   得るものは。たくさん、あるんだよね。

   今回の、私たちの、ようにね。

     ねえ。おとうさん。