おとうさん。おはよう。

  きょうから。おとうさんと、次男と、三人旅ですよ。

  去年は。おとうさんが。以前。一人旅をした場所を、記載していた。

   おとうさんの。旅行ブックを、頼りに。行き当たり、ばったり。

    おとうさんの。足跡を、訪ねる。旅を、したんだけどね。

  今年はね。おとうさんが。行きたいと、思ってた。場所や。

   私とふたり、珍道中した。あそこにも。よれたら、いいねって。

    言って、いるんだよ。

   どんな、度になるか。楽しみだよね。おとうさん。

  インコの『ぼた』は。去年同様。長男宅に、お泊り保育ですよ。

   とっても。大事にして、もらえて。いるんですよ。

   好物の、レタスだって。いいものを、って。考えて、くれてねえ。

  それでも。やっぱり、我が家が、いいみたいで。

   きょねんは。我が家に。帰って、きてかっら。

   『ぼた』に、随分、つつかれたん、だよね。

   「『ぼた』すねとるわ。」いうて。みんなで、笑ったよね。

  あれは。人間の、子供も。鳥の子供も、同じだって、ことだよね。おとうさん。

  二番目の子を、亡くしたとき。

   長男を、急に。田舎の、両親に。預けることに、なってね。

  あの時。どんなに、おじいちゃんや、おばあちゃんが、優しくしても。

   それが、伝わらず。

   「おとうさん。迎えに来てよ。」って。泣きわめいてね。

   じいちゃん、ばあちゃんを。困らせたん、だよね。

  そしてね。帰ってきた、息子に。今度は。おとうさんが、無視されてね。

   ほらね。まったく。『ぼた』と、おんなじでしょ。おとうさん。

  さて。ことしは、『ぼた』は。どうなります、ことやらね。おとうさん。

   少しは、去年よりも。慣れていると、思うしね。

   それに。『ぼた』も、去年よりは。

    おとなに、なってると。思うんですが。

      ねえ。おとうさん。