おとうさん。きょうは。ひさびさに、工作を。しましたよ。

   おとうさんの、大きな写真。せっかく。次男が、作ってくれたのに。

    写真立てが、ないんだものね。

   それでね。作ろうと、思ってね。

  いつもの、私なら。ノコギリで、ギコギコやって。作るんだけど。

   今回は。ダンボールで。作りましたよ。おとうさん。

  そうだよね。

   「おまえ、一人では。ちょっと。」ってね。

    おとうさん。言うに。決まって、いるものね。

  なにか、私が、作っていると。必ず。手を出して、くるんだもの。

   「あのなあ。それは。こうやった、方が。ええんじゃ。」いうてね。

   わたしの、やり方が。まずいのか。おとうさんが、お節介が、したいのか。

   「もう。・・・・・ちょっと、黙っといて。」って、言うんだけど。

    毎回、同じことの、繰り返しでね。

   「ほんなら。おとうさん、やって。」って、ね。

   トンカチやる時は。

    おとうさん、任せに。していたんだ、ものね。おとうさん。

  それでね。きょうは。私一人で、作るから。

   おとうさんから。文句が、出ないように。

    段ボールで、作ることに。したんだすよね。おとうさん。

  そうそう。おとうさんの、裁ちバサミ。使って、いるんだけど。

   しっかり。役にたって、くれていますよ。おとうさん。

  わたしが、こっちに、来たばかりのころ。

   ちょっとした、工作を、していたら。

   「これを。使え。」いうて。

   大きな、裁ちバサミを。出して。くれたんだよね。おとうさんが。

   「裁ちバサミは。布を、切るもんよ。」

   「こんな、いいハサミ。もったいない。」言うたら。

   「わしは。これで。なんでも、切っとるけえ。かまわん。」

   「よう、切れるぞ。」いうてね。

  あれ以来。あの、大きな、裁ちバサミは。

   我が家の、工作バサミの。仲間入りを、したんだけどね。おとうさん。

   やっぱり、今でも。よく、切れますよ。おとうさんの、ハサミは。

  ハサミを。動かして、いたらねえ。

   「あれも。作ったよね。」

   「これもやわ。おとうさん。」てね。

   二人で。仲良く、ケンカしながら。作った時の、思い出が。

    よみがえって、きてね。

    楽しい、時間が。持てましたよ。ありがとうね。

      ねえ、おとうさん。