雨の合間を、トコトコ行ってたら。

  どうやら、子育て真っ最中のようで。出て来るわ、出て来るわ。

   次から次へと。小鳥のヒナたちですよ。おとうさん。

  ヒナと言っても。そこそこ、大きくなっているんだけどね。

   ムクドリに、ヒヨドリに、スズメに、カラスに・・・てね。

  よくぞ、こんなに。そう思いながら、歩いていたら。

   息子たちが、小さかった時。何度も、なんども読まされた。

   「この本読んで。」いうて。

   読み聞かせの時。必ず、もってきてた。

  あの本のことを、思い出して。

   一人で、吹き出して、しまいましたよ。おとうさん。

   迷子のスズメが、鳴き声をたよりに。自分の家を、探すという。物語の絵本ですよ。

  相手の鳥が、「カーカー」だとか、「ホーホー」とか。鳴いて見せるんだけどね。

   読み聞かせを、してて。

  おとうさんが、いい加減に読むと。

   「おとうさん。そう、鳴くんとちがうで。」

   「その鳥は。こう鳴くんや。」 いうて。

   文句、言われるんだよね。

  そして。たまに、とばして読むと。

   「そこ、ちがうで。おとうさん。」

   「おまえ。コックリ、コックリしとった、思うたのに。」

   「おきとったんか。」いうたら。

   「ちゃんと、覚えとるもん。」いうて。

  なんども、読んでる本だから。息子は。物語を、まる暗記してるんだもの。

   おとうさんに。勝ち目は、ないもんね。

   「ゴメン、ゴメン。」いうて。

   おとうさんが、あやまることに、なったんだよね。おとうさん。

  息子たちの。小さかったころの、思い出だよね。     ねえ、おとうさん。