日本でメーカーとか小売店にいたひとはご存知かもしれませんが、日本って異常に値上げを避けたがりますね。


もちろん値上げをすれば売上は下がりますが、とはいえ"企業努力"でお値段据え置きなんて限度があります。

出費が増えてるのに削減できるものなんて限られてる、家計と同じなのに



さて、アメリカではインフレが進んで恐ろしいことになっていますが、値上げ方法に関してはアメリカは非常に簡単に行います。


例えばマーガリンは去年まで89¢だったのが今月$1.22に値上げしてました。

でも事前告知だなんだとかはありません。ただ上がっているんです。

4月から値上げが〜とかニュースにもなりません。いや、調査しているところとかあるかもしれませんが探さないとわかりません。


レストランも全米チェーンのパネラブレッドのメニューは4ヶ月毎に値上げされてます。メニュー改定時に一緒に20¢ずつ上げていっているわけです。


特に案内はありません。店も「なんか新しい値札来てるんだけど」→「値段上がってね?」という感じ。客から「コーヒー値上がった?」と聞かれて気がつくことも。

じゃあ客は怒るのかというと、「どこもインフレだもんね、しかたない」とか「あなた(店員さん)はどうにもできないわよね」というかんじでクールに去っていきます。まぁ実際店員は何もできないしね。



日本だと値上げに対して量販店側が強い抵抗を示すことが多く、非常に難しい商談や条件交渉が行われる日本のメーカー側ですが、アメリカでは実際どうなんでしょうか。


ぶっちゃけ値上げに理由があるなら値上げして然るべきですよね。しかも今はすべてのアイテムが値上げしていので、みんなで値上げすれば押し通せそうな感じ。

コストが上がっているのに売価はそのままなんて幻想、ありえないんだから日本はさっさと値段あげて抑圧されたメーカーはその分を給料に反映して、正常な状態に戻ればいいのにと思います。


お金にはPurchasing powerという特性がありますが、要は今1ドルで買えるものが将来同じ値段で買えるとは限らないというものです。代表的なものは不動産。$180Kで買えた家は6年で$300Kの価値になりました。アメリカ不動産は価値が常に上がり続けているものの1つで、リーマンショック後の下落も長期的に見れば一時的なものに過ぎませんでした。


同じ貨幣価値はないのだからコストがどんどん上がり続けるわけで、当然値上がりはしていきます。

これって正常なインフレで、人間で言えば健康な状態だと思うんですが、日本は病的に値上げを嫌がる結果、無理なコスト削減やシュリンクにより「実質値下げ」をおこなうので、なんというか食事減らして無理にダイエットしてる人のように見えます。その結果、常に不健康、今の円安でさらに大打撃みたいな。


日本の経済停滞はみんなのお給料上げれば解決する気がしますが、なかなか難しいですね。