残念なお知らせですが、イメピトインの認可予定は遅れてるようです。

全国のてんかんワンコのためにに急いで欲しいものですね。

 

最近ようやく、再生医療について調べ始めました😥

今、人間医療で、間葉系幹細胞点滴による治療は国がらみで進められるホットなニュース

です。

脊椎損傷して植物状態の人間が、この点滴だけで回復したとか。

この幹細胞は細胞間でシグナルを出して、直接損傷部位に修復を働きかけるそうです。

脊椎に限らず、他の臓器にも然り。

そして、免疫機能の安定化する作用もあります。

年齢をとるにつれて、この幹細胞は少なくなるため、損傷部位が大きいと補充する目的で

点滴して治癒させる理屈らしいのです。

 

ポロちゃんは、脳梗塞、多小脳回による難治性癲癇、難治性下痢、咀嚼性筋炎

(自己免疫疾患の一種)を患っておりました。

大量の薬と病気で体はガタガタになります。

再生医療に頼ることはできなかったのだろうかと可能性を考えています。

いくつか専門の獣医さんに伺った内容を書きます。

 

①脳梗塞による後遺症や、脆弱した血管、脳損傷の治癒は可能でしょうか?

→人間と異なり、動物ではモニターが集まっていないのでよくわかりません。

現在のところ集まったモニターからの経過からは免疫機能と脊髄損傷に効果はみえて

います。

 

②治療回数ですが、人間の理論のように損傷部位や適用したい項目が多ければ、

それ相当の幹細胞の補充が必要になるため、治療回数が増えるということでしょうか?

→人間と動物では考え方が違います。

ワンクールは大体月二回、3ヶ月行います。最大で12ヶ月行った子もいましたが、効果発現はそのくらいで出るのでその時点で一旦休止します。

 

③リスクについて教えてください

→脂肪由来の間葉系幹細胞を使用する場合、腫瘍がある子はできません。

現在動物病院では脂肪由来がほとんどです。

良性であれ悪性であれ、腫瘍の増幅につながります。

 

④自家培養幹細胞使用の方が他家培養より拒否反応の面で安全でコストが安いのではないですか?

→いえ、ほぼ同じです。そして、ステロイドなどその子が服用している薬によっては、

その子の幹細胞の培養はうまく増えない可能性がありますので他家培養が良いでしょう。

 

人間と違い、動物では他家培養でそれほど拒否反応は起こりません。

何十という症例の中、一件だけ呼吸停止で死亡した例があります。それは、脊髄損傷の犬で血栓と幹細胞が血管内に詰まったのではないかと推測しています。

自家培養と他家培養の損傷部位に対する定着率は、若干自家の方が優位です。数パーセント程度ですが。

 

⑤費用について教えてください

→保険適用外になる医療です。

自家培養ですと、培養自体で10万円。

点滴投与一回3万円。これが月2回、3ヶ月ですので28万円です。

検査費用は別途になります。(ビー玉大の脂肪を取る手術になるので術前検査が必要。

他に癌の有無など)

 

他家培養ですと、点滴投与1回7万円。これが月2回、3ヶ月ですので42万円です。

 

他院❺→培養の如何に関わらず(自家、他家問わず)1回16万円です。他に自家ですと、

脂肪摘出に7万円くらいと術前検査費用が入ります。※6キロの子で質問しています。

 

他には、免疫疾患の適用において(アトピー、咀嚼性筋炎、多発性筋炎、髄膜炎、脳炎、

難治性下痢)

投与を辞めるとぶり返す可能性があるそうです。

 

●考察

正直、リスクについて考えると、現状再生医療のターゲット患畜がどこなのか疑問が

あります。

体力があれば手術の方が安全のようですし、難病の子であれば、再生医療によるリスクは

避けたいと思うのが飼い主心ではないでしょうか。。

 

万一腫瘍があったらそれの増殖を促す点について、動物病院では初期の腫瘍検査があり

ません。

良性の腫瘍でも悪性に転化することがあるので、良性悪性に関わらず、万一腫瘍があれば

悪化するリスクは否めません。

あと、近藤先生によれば、症例数が少ない上で、成功率つまり治療効果率が7割いって

いないらしいのです。まだ、幹細胞投与量について一定の基準ができてないようであれば

リスクはさらに上がります。

というのは、静脈投与ですので、万一幹細胞が毛細血管で詰まった場合は死に至るわけです。

その点、投与量を加減するしかないわけですが、一体一度にどのくらいの量を投与すれば

最も効果が期待でき、どのくらいの量で詰まってしまうかまだ手探りだそうです。

これは、脳神経とか免疫疾患だとか治療対象関係なしにあるリスクなわけです。

 

さらに、脳梗塞や血栓がある場合についての注意です。

近藤先生ともお話ししましたが、私は、ポロちゃんの脳梗塞は、血液凝固ではなく血管が

脆弱して血管壁が剥がれ、それが血栓であったのではないかと考えています。

なぜならば凝固系の血液検査は異常がなく、脳梗塞症状と画像による梗塞痕が確認され

ているからです。

因みに犬の脳梗塞は出血性ではなく殆どが血栓といわれています。

現在動物医療で血管状態を確認する術はありません。

 

我が家にはヘルニアとアトピーの老犬むーちゃんもいますが、やはり再生医療に踏み切るのは諦めました。

手術であれ投薬であれリスクはありますが、再生医療は予見できるリスクが重すぎるし、

医療費が成功率に見合わないと思いました。

てんかん犬ポロちゃんの脳細胞修復や脳の電気信号の正常化を可能性として期待できた

だろうかと期待していましたが、ポロちゃんが今いたとして、やはり試せませんね。

より安全な自律神経調整や整腸に力を入れると思います。

 

もし、再生医療を考えている方がおられるならば、是非、取り扱い症例数や成功症例数、

リスクに対しての先生のお考えをよく話し合われてください。

 

これからの医療ですから、血栓や腫瘍確認などリスク低減も進むと思います。

現状では、これ以上施す医療がなく寝たきりで死を待つワンコなど最終手段であれば

踏み込む意義はあるのかもしれませんね。

 

遅ればせながら、ハロウィーンのむーちゃんでした🍙