<イベント> のち
夜中は星空だったが、夜が明けると、
青空は何処にも無く、雲が低く垂れ込めていた。
雨が降る前に、南東風が入れば、
途中でストップしているラウンド5を再開し、
雌雄を決する事ができるのだが・・・。
実は、アキュラシー競技に於いて、
ラウンド5は、 “ 特別 ” なのである。
それは、これまでの成績の内、
最も悪かったラウンドの成績を省く事ができるからだ。
つまり、5ラウンド中4つの成績で順位をつけるのだ。
例えば、たった一回、大きなミスを冒し、
下位に沈んでしまった有力選手が、大復活できる。
言い換えれば、ボーナスステージと言えるのである。
そして、今大会でも、大逆転激が起きる可能性が、
頗る高い状態で、ストップがかかっている。
しかし、そんな期待を吹き飛ばし、藻屑にしてしまう程、
激しい風雨が準備を進めていた選手に襲い掛かった。
そして、当然ながら、キャンセルがコールされた。
表彰式までの間、主催者と選手で意見交換が行われた。
出された意見は、選手の欲求を満たそうというものばかり。
“ 競技の発展 ” を視野に入れて
“ 観客(ファン)サイド ” に立った意見は、出されなかった。
発言者の多くは、自分達の欲求が満たされれば参加が増え、
競技が発展すると考えているようだ。
残念ながら、選手を第一に考えたスポーツは、
ことごとくマイナーであり続け、世間からそっぽを向かれ
発展しないという事実と実例がある事を、知らないようだ。
この競技が、まだまだ未成熟でマイナーな証拠である。
よく考えて欲しい。
パラは、野球やサッカーの様に、
子どもがその辺の公園で、ヒョイと遊べる物ではない。
増加したとして、何人になるのだろう、1万人?10万人?いやいや、どんなに頑張っても千人だろう。その先は?
それが、最終到達点?
我々が考えるビジョンでは、選手は数百人もいれば充分。
主催した競技に、観客が数千人、そして、
数万人が訪れるようにするのが夢である。
だから、どうやったら観客に楽しんでもらえるだろう?
競技の醍醐味をわかってもらえるだろう?と知恵をしぼり、
常に試行錯誤を繰り返している。
アキュラシー競技を応援してくれるファンの事を
思った大会が一つぐらいあっても良いのではなだろうか?