<仕事>
木曜日の時点で、週末は絶望的な天気予報だった。
しかし、金曜日になると一転、土曜日は晴れ予報に?
そして、土曜日の朝には、日曜日も晴れ予報に?
しかも、気温減率がとてもよく、空気が澄んでいる。
更に、大観峰の風予報が、東風のち西風である。
空気がぶつかる所に大きな上昇帯が発生することは、
このスポーツをしている人なら誰でも知っている事だ。
木曜まで、遠征するか、宿泊するか?
迷っていた鹿児島組も駆けつけた。
早速、テイクオフ(離陸)場に移動。
塾生達は、南東風が入っているのに、
いつも使う南西風テイクオフへ向かう??
一瞬、えっと思ったが、
まあ地元フライヤーが行くのだからと付いて行く。
完全な東風とローターの騙しの風とは違い、
確かに大観峰は出れない風ではなかった。
もう12時に近い事から、
おそらく東面と西面から交互にサーマルが発生し、
交互に風が入り安定しない状況がしばらく続くだろう。
今日の大観峰の状況、山の形、
風の当たり方やコンディションは、
コロコロ変わる風,荒れたサイド風の中、
テイクオフして、南側へ回り込み、
そこに存在する強烈なサーマルで一気に上げる。
丁度、アジア選手権のあった徳島県の
三頭山のテイクオフに似ている。
川地はさっさと準備を始めたが、塾生の腰は重い。
どうやら、地元のフライヤーですら
この種の風で飛んだことがないようだ。
大観峰は一般的に、安定した西風の中、飛び立ち、
時折上がってくるサーマルを捕らえて上昇し、
夕日が沈むまで飛び続けるというスタイルだ。
川地は、再三飛ぶように促したが誰も飛ばなかった。
(本当に危ない時は、飛ぶように言わないのだが・・・)
今回初めての人は仕方ないが、
地元のパイロットは、大観峰の知られざる可能性に
気付くために、是非飛んで欲しかった。
結局、川地は一人で兜岩に渡り、更に西の方にある
俵山の近くまで飛んで行って帰ってきた。
上級者と一緒に飛べなかった事は非常に残念だ。
トップランをして、スタンバイしていたパイロットに、
出ろ出ろ光線を浴びせると、ようやく飛び立った。
何の問題もなく出て行くと、瞬く間に1800mへ。
しかし、時既に遅し!!
川地が西から帰ってくる時に、
西風は既に大観峰の直ぐ手前まで来ていたのだ。
直後、いつも通りの西風が入り、
強烈なサーマルは、売り切れとなった。
初大観峰の人も飛び立ち、極楽フライトの始まり始まり。
風も強めなので、余り回せないが、
上がる事は上がるので、いつもの様にマッタリと、
沖の方へ出してもフカフカ浮いている状態。
それでも、とても高く上がる。
日暮れまで、飛ぶ事が出来た。
初めての人はこれでよかったと思う。
それにしても、滅多にないチャンスだけに、
上級者と一緒に飛べなかったのは、残念で仕方ない。
今度はいつあのサーマルに出会えるだろうか?
もしかしたら、あれが、本当の大観峰の姿?
地元の人は危ないと思って飛んでいないだけなのかも?