<整形外科病院->保育園>
やっと診察の日が来た。
翔の通っている整形外科病院は、身体障害の分野では有名だ。
昨年、TVで取り上げられたら、患者が全国から殺到して、
途端に予約が半年以上待ちになってしまった。
これまでも、予約は1~2ヶ月待ちは当たり前だったが・・・。
院長先生が昨年体を壊されて、一日に大勢を診察できない事も、
待ちが長くなっている原因のようだ。
久しぶりの診察なので、ゆっくり、じっくりと診察して頂けた。
結果から言えば、
股関節の亜脱臼は進行しておらず、
緊急に手術をする必要性はない。
日頃から翔の動きを見ていれば、おおよそ想像していた通りだ。
(それでも、気が付かない所で悪化しているという心配はあった。)
局所的に見れば、股関節に手術の必要は無い。
しかし、翔の総合的な発達から考えると、
手術をしないことが一概に良いとは言えない。
下半身が安定しないことに変わりはなく、
上半身のバランスが損なわれ、
それを支えるために手を使う必要がある。
結果的に手を使った遊びは出来なくなるのである。
それらは、脳の発育も遅らせる事になる。
では、手術をすれば良いではないかと思うだろう。
しかし、そうは簡単ではない。
翔は、麻酔に対して、弱いのだ。
新生児の時に目を覚まさなかったことで、ハッキリしている。
鼻水の薬でさえ、眠くて、ヘロヘロになり、頗る機嫌が悪くなるのだ。
全身麻酔は、心肺停止の危険性をはらんでいる。
成長すれば体力が付き、危険性は低くなるが、
それでも、ゼロではない。
ドラマではないので、助かる見込みは無いだろう。
引いたカードが、ジョーカーかどうかは、
めくって見ないと分からないのだ。
やり直しは利かない。一発勝負である。
(勿論、めくらず戻しても良い。)
そして、
そのカードは我々両親がめくらなければならない。 (><;)
鼻水が止まった翔は、お薬を飲ませられることもなくなり、
機嫌良く遊んでいる。
翔は、座れる事を望んでいるのだろうか?
立つ事を夢見ているのだろうか?
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