翔の進歩43 独占欲 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<療育施設> 晴れ 時々 雨

夜行バスに、携帯電話を忘れた。

座席の前のポケットに入れっぱなしにしたのだ。

バスを降りて、数十メートル歩いて気が付いたが、

引き返した時には、発車した後だった。

帰宅してから、バス会社に電話したら、見つかったので良かった。



さて、今日から今年度後期の療育&訓練が始まる。

久しぶりに訓練が再開されたが、意外に問題なくクリアーした。

もっと、機嫌が悪くなり、もっと泣いたりすると思ったのだが・・・。

翔も、大人になったということか?


しかし、弁当は全ての品を半分残した?

何か意図があるのか?


個人面談(担任の先生と今後の方針や計画を話し合う)の

最中も他の先生と大人しく遊んでいた。

何だか不気味だ。 (~_~;)



夜、食事も終わり、お風呂から出た頃、

翔の玩具(ジャラジャラ:メロディージム)の修理を始めた。


この玩具は、翔の心の故郷である。

何しろ、生まれて初めて玩具に興味を示し始めたのがこれである。

活発に動くようになり、もっと楽しそうな玩具が、

周辺にあふれるようになった現在でも、

一日に3回以上は、必ず遊びに行く。


で、川地がこの玩具を改善修理していると、

ビデオに突進するのを止めて、こちらの方を不安げに見ている。

「 パパ何しているの?それ壊さないでね!? 」

そう言いたそうだ。


終いには、直ぐ後ろにまで来て、背中をポンポンと叩いた。

それでも、作業をしていると、今度は、腕を掴んで引っ張り、

「 退いてよ!僕が遊ぶから!! 」 の素振りである。


パパ:「何だショウ!? しまじろうのビデオを観ても良いんだぞ? 」

そう言うと、ビデオに行こうとするが、途中まで行って引き返してくる。

やっぱり、気になるようだ。

その内怒りだした。

「 何でパパが僕の玩具で遊んでいるの!それは僕のだよ!! 」



こんな翔を見るのは、初めてだ。 ( ̄□ ̄;)!!

翔が生まれて初めて見せた、 『 独占欲 』 だった。

また一つ、精神的に進歩した瞬間だった。