マイブームは突然やってくる | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<療育施設> 晴れ

今日も暑くなりそうだ。

朝、施設から療育内容の変更の電話があった。

プールに入るそうだ。

慌てて準備をする。



今年の夏で、すっかり水遊びが好きになった翔は、

今日も元気一杯遊んだようだ。

クラスメイトのKちゃんに対して先生が、


「体温が高めなので、プールは無しにしようか?」


と言うと、何故だか翔が、


「そんなの駄目だよ! 一緒に遊ぼうよ!」


てな感じで、大声を出したそうだ。

もしかしたら、自分もプールに入れなくなると思ったのかもしれない。 (~_~;)

いずれにせよ、よく人の話を聞いている。



さて、いつものように夕食後にワイフが翔と遊んでいた。

何の気なしに、部屋の片隅に追いやられていた玩具を与えると

これがバカうけになった。


アクティビティ ボール


それは、随分、昔に買って与えたものの、全く見向きもせず、

無用の長物と化していた 『 アクティビティ ボール 』 という玩具である。


手足を引っ張るとバイブレーション(振動)して、

時には、様々な音色も発するこの玩具は、

買って与えた当時、翔は物事に全く関心を示さず、
ただ遠くを見つめることが多かった。

それでも、何とか光明を見出そうと、

手や足、体に振動を与え、脳に刺激を送ろうとしたものだった。

(前述のとおり、計画は失敗に終わった)


長い時を経て、様々な事に関心を示し、

活発に自分の意見すら言う様になった翔が、

この玩具を気に入るようになり、

マイブームになるとは、なんとも皮肉なものである。

が、それも、笑い話になるという事は幸せな証拠か?