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見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<自宅> 晴れ

いつもは療育施設へ行くが、今週は夏休み。

翔と二人で過ごすことになった。

といっても、パパは夜行バスで帰ってきたので、お疲れモード。

翔は相変わらず、ビデオへ一直線だ。


以前は、散歩や買い物に行くというと喜んだのだが、

最近では、ビデオが見れなくなるので怒る。


車の中でもビデオを見ることが出来るようになっているが、

殆どは地図画面になっている。稀にリモコンの操作をすると、

ビデオを見せてくれるのではないかという期待から、

ソワソワしたり、喜んで大声を上げる。

でも、違うと分かるとしょんぼりしてしまう。



その昔、2歳の頃、ビデオを見せても、

眉毛一つ動かさず、視線は遠くお見て、無表情だった頃に比べれば、

驚くべき程の心身の進歩と成長を遂げているのだが・・・。

なかなか親の悩みは尽きないものである。


今川地家に迫る最大の危機は、翔がまた一回り大きくなったことである。

体重がついに17kgを超えたのだ。

毎朝全身のマッサージをしているが、

足の裏を揉んでいてハッキリと分かるぐらい、大きくなっている。


我々が翔を気軽にベッドや車椅子に運べなくなるのも、

それ程遠い未来の話ではないことが、肌で感じ取れる。

せめて、つかまってでも良いから自分で立ち上がる事ができたら、

単に、我々が楽というだけでなく、翔の可能性が大きく広がる。