日本選手権 二日目  選択 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<大会> 晴れ 時々 くもり  TASK2 50km成立

初日の失敗を反省し、今日の飛びにつなげる。

今日は強気で行く事にした。


序盤からトップを走り、良い形で天子岳から帰ってきた。

ここで、一緒に走っていた高木選手が稜線上で西風に捕まり、

高度を大きく落とし、東側にこぼれた。


高度は少し高かったものの同じコースだったので、

東側にあるクラウドストリート(雲の列)にコースを変更した。

レース序盤ということと、少し飛ばし過ぎの感じがしていたので、

安全策を取ったつもりだったが、同じように高度を落としてしまい、

スタックをして、セカンド集団に抜かれてしまった。


それでも、盛り返してセカンド集団を猛追し、

猪之頭のパイロンを折り返す時にトップ集団に完全に追いついた。

しかし、鉄塔尾根は天使岳の雲の影で完全に暗闇になり、

全く上がらない状態になった。


ジリジリと高度を下げるトップ集団を眼下に

同じようなコース取りをしては同じ運命になるので、

日射がしっかりある猪之頭エリアに進路を取った。


しかし、日射があるにもかかわらず全く上がらない。

鉄塔尾根同様にジリジリと高度を下げ、

猪之頭エリアに下りてしまった。


トップグループも降りる直前まで下がったものの、

一瞬射してきた日射によるサーマルで復活し、

ゴールに向かって飛んで行った。

運命とは皮肉なものである。


帰着申告後にゴールした若山選手(Jリーグランキングトップ)に、

「自分も同じ立場だったら、猪之頭に行っていた」という言葉を聞いて、

少し救われたような気がした。


コンペティションでは様々な局面で

神様から提示された条件における最良の 『 選択 』 を迫られる。

結果が悪かった時に、何か見落とした事がないか?

判断の何が間違っていたのか?

他の人ならどういう選択をしたのか?

もし、再び同じような局面に陥ったら、どうするのか?

謎解きは永遠に続く!!