<お仕事>
昨日と打って変わって良い天気。
目が覚めてから朝食までの束の間、朝風呂に入った。
檜風呂から青い空がクッキリと見える。
他の塾生も大勢入ってきた。
この温泉旅館は2つの温泉がある。
また、この民宿の浴衣を着ていれば、
近所にある幾つかの公共温泉も無料で入浴できる。
なかなか気の利いたシステムだ。
今日は西から北西の風の予報なので、
十分一山に行くことにしていたのだが、
途中の七ヶ宿を通過する時に何だか風が弱い?
と言うことは、良い南風が十分一山に入ることが予想できるが、
何だかいやな予感がする?
それは見事的中した南陽の盆地は霧にうずもれていたのだ。
・・・、でも、昼前に霧が取れて午後から良くなって飛べる。
ここはこういう事が多い。
温泉旅館から1時間強の9:00に十分一山へ到着した。
まず、ランディング(着陸)場を関東組に案内して、
その後10:00頃から霧が取れはじめた。
しかし、少なくとも2時間はサーマル(上昇風)は発生しないだろう。
ヨーロッパのように標高が2000mもある山なら、
逆転層よりも上の高い所からサーマルが発生するのものだが、
残念ながら日本には、そのようなエリアは殆ど無い。
現在10:00だ。
さてどうするか、塾生との間で対策会議を行った。
車で数分もかからないところに、
東北地方で有名な 『 龍上海 』 というラーメン屋がある。
開店は11:30だがそれまで店の前で話をすることにした。
関東組みは、ここで昼食を取ってから山に登る事にした。
東北組の数名はいつでも食べれるので、
そのままテイクオフに上がってしまった。
実はこんなコンディションの時は、
霧が晴れると快晴になるのでどうしても飛びたくなる。
しかし、霧が取れても逆転層は相変わらず強固に残っているので、
相当に渋いのである。
そして、"ぶっ飛ぶ”というパターンに陥ってしまうのである。
更に、悪いことに今日は多分北西風が入ってくる。
だから、タイミングを逃すと飛べなくなってしまうのである。
つまり、今日はワンチャンスしかない。
東北組は我慢できずぶっ飛んでしまった。
ラーメン屋で気を散らしておいてテイクオフに上がった
関東組はと言えば、満腹でマッタリとしている。
雲の出来方と流れから風を読むと間もなく北風に変わる。
「もっと良くなってから・・・」と悠長なこと言っている
関東組に直ぐに出るように発破をかけた。
東北組もリフライトに上がってきた。
何とか間に合いそうだ。
関東組は全員テイクオフして雲底へ、
東北組が出ようとした時に北風になってしまった。
間に合った方も居たが、大半がテイクオフに取り残された。
雲底まで上がった方々を連れて、観光ツアーに出かけた。
約一時間程飛べた。
明暗がくっきりと分かれた日だったが、
上がった人も、上がらなかった人も、
コンディションを読み、己をコントロールして、
『 自然のリズムに乗せる,合わせる 』 という重要性を
認識する良い機会になったのではないだろうか?
飛ぶ事よりも気付くことが、次回の飛びにつながる。
目先の飛びに囚われてはいけない。
ぶっ飛んでも次回上がれば良いのである。
川地は仙台駅まで送ってもらい、夜行バスに乗った。
次回は東北組が北関東に遠征する番だ。
それまでに腕を磨いて、今回のリベンジをする事を期待したい。