川地塾in東北&北関東EX 第三回 2日目 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<お仕事> 晴れ

昨日と打って変わって良い天気。

目が覚めてから朝食までの束の間、朝風呂に入った。

檜風呂から青い空がクッキリと見える。 温泉 ニコニコ

他の塾生も大勢入ってきた。


この温泉旅館は2つの温泉がある。

また、この民宿の浴衣を着ていれば、

近所にある幾つかの公共温泉も無料で入浴できる。

なかなか気の利いたシステムだ。



今日は西から北西の風の予報なので、

十分一山に行くことにしていたのだが、

途中の七ヶ宿を通過する時に何だか風が弱い?

と言うことは、良い南風が十分一山に入ることが予想できるが、

何だかいやな予感がする?


それは見事的中した南陽の盆地は霧にうずもれていたのだ。

・・・、でも、昼前に霧が取れて午後から良くなって飛べる。

ここはこういう事が多い。

温泉旅館から1時間強の9:00に十分一山へ到着した。


まず、ランディング(着陸)場を関東組に案内して、

その後10:00頃から霧が取れはじめた。

しかし、少なくとも2時間はサーマル(上昇風)は発生しないだろう。


ヨーロッパのように標高が2000mもある山なら、

逆転層よりも上の高い所からサーマルが発生するのものだが、

残念ながら日本には、そのようなエリアは殆ど無い。



現在10:00だ。

さてどうするか、塾生との間で対策会議を行った。

車で数分もかからないところに、

東北地方で有名な 『 龍上海 』 というラーメン屋がある。

開店は11:30だがそれまで店の前で話をすることにした。


関東組みは、ここで昼食を取ってから山に登る事にした。

東北組の数名はいつでも食べれるので、

そのままテイクオフに上がってしまった。


実はこんなコンディションの時は、

霧が晴れると快晴になるのでどうしても飛びたくなる。

しかし、霧が取れても逆転層は相変わらず強固に残っているので、

相当に渋いのである。

そして、"ぶっ飛ぶ”というパターンに陥ってしまうのである。

更に、悪いことに今日は多分北西風が入ってくる。

だから、タイミングを逃すと飛べなくなってしまうのである。

つまり、今日はワンチャンスしかない。



東北組は我慢できずぶっ飛んでしまった。


ラーメン屋で気を散らしておいてテイクオフに上がった

関東組はと言えば、満腹でマッタリとしている。


雲の出来方と流れから風を読むと間もなく北風に変わる。

「もっと良くなってから・・・」と悠長なこと言っている

関東組に直ぐに出るように発破をかけた。

東北組もリフライトに上がってきた。

何とか間に合いそうだ。


関東組は全員テイクオフして雲底へ、

東北組が出ようとした時に北風になってしまった。

間に合った方も居たが、大半がテイクオフに取り残された。

雲底まで上がった方々を連れて、観光ツアーに出かけた。

約一時間程飛べた。



明暗がくっきりと分かれた日だったが、

上がった人も、上がらなかった人も、

コンディションを読み、己をコントロールして、

『 自然のリズムに乗せる,合わせる 』 という重要性を

認識する良い機会になったのではないだろうか?


飛ぶ事よりも気付くことが、次回の飛びにつながる。

目先の飛びに囚われてはいけない。

ぶっ飛んでも次回上がれば良いのである。


川地は仙台駅まで送ってもらい、夜行バスに乗った。


次回は東北組が北関東に遠征する番だ。

それまでに腕を磨いて、今回のリベンジをする事を期待したい。