マジックミラー | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<療育施設> くもり のち 晴れ

ST(言語訓練)の時間いつものように、

音の出るカードで色々な音を聞かせていた。

車、飛行機、熊、ライオン、鈴虫、笑い声、泣き声、etc.

カードには音と関係のある絵や写真が書いてある。


翔は訓練中もパパの方を時々見る。

何かを言うでもなく、訴えるでもなく、欲するでもない。

しいて言えば「ねぇ、ねぇ」と言った感じである。

これが度を越すと甘えになってくるので、

時として訓練の妨げになる事がある。


そこで、今日の後半は 『親子分離』 を行うことにした。

川地はマジックミラーで区切られた隣の部屋へ行き、

翔がどのような行動をするのか観察した。

そう丁度、警察の取調室のような感じである。


最初は「パパ、早く帰ってこないかな?」と

時々ドアの方を振り返っていたものの、

その兆しが全く無いので、途中から諦めたようだ。

また、次から次へと面白そうな玩具が登場するので、

次第にそちらの方に夢中になっていった。

流石にその他の日は保育園で過ごしているだけの事はある。



しかし、お昼ご飯の時にその反動が来た。

いつも食べさせて頂いている先生なのに、

頑として食べようとしない。

泣いたり、笑ったり、怒ったり、

スプーンを噛んだり、寝た振りしたり。

結局、パパが食べ終わるまで、殆ど食べなかった。


でも、先生が 

「お弁当箱をさげるわね!?」と言うと

「食べるから一寸待って!」と手を伸ばして引き止めていた。



今日は帰りに眼科へ行った。

翔の白目の部分が充血していたからだ。

保育園では、 『結膜炎』 が流行っていて、

先生までもが感染して休む事態になっているからだ。


幸いにも、翔は全く平気だった。

じゃぁ、目の充血の原因は何? ( ̄_ ̄ ?)