友達とのコミュニケーション | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<保育園>

翔は我々両親や祖父母,先生など、

大人の人に対してははっきりとした反応を示すし、

何かを伝えようとしたりするためにアクションを起こす。


しかし、同年代の子に対してはコミュニケーションを避けようとする。

視線を合わせなかったり、そっぽを向いたり、

所謂、『無視』をするのだ。


この事は川地は以前から気づいていて、心配していた。

どうしてそんなことをするのか理由も良く分かっていない。

考えられる一番の理由は、我々大人と違い、

アクションを起こしても分かってもらえなかったり、

動きが速くて、翔には付いていけないのだろうと思われる。


そんな翔だが、何故か同じクラスの女の子には人気者だ。

いろいろなことが出来ない事が赤ちゃんの様で、

母性本能をくすぐるのだろう。


それでも、この間の保育参観の時には、

話しかけてきた男の子を見て、何か反応を示し、

声を発している場面もあったのは、驚きだった。



今日も帰り際、クラスの女の子の一人が

「さようなら!」を言いに来て、見えるように近くで手を振った。

翔は相変わらず見ないふりをしていた。


そこで、

「翔君は速く動けないから、少しだけ待ってあげてくれる?」

こう女の子に説明して、見本を見せてあげた。


翔の顔の少し上あたりに、ハイ・タッチの要領で片手をかざす。

少し待つと翔はその手に合わせるように手を上げる。

これが翔流の「さようなら」なのである。


女の子は直ぐに要領をのみこみ、

私と同じ様にハイタッチの姿勢をした。


すると、それまで女の子を見向きもしていなかった

翔がちょっと照れた様な表情を浮かべて、

手を上げて合わせたのである。

やはり、翔は子供達の速い動きに付いていけず、

諦めていたのかもしれない。


女の子は、「本当だ! 翔君、バイバイ!!」

そう言って、お母さんのもとへ走り去って行った。


翔はしばらく何か言っていた。

「ちゃんと挨拶できたよ!」そう言っていたのだろう。

(o^∀^o) ハウア, ハ~ア, ウ~ア (^0^o)♪♪