スペインツアーVol.03 7時間耐久フライト | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<ツアー 二日目> 晴れ

太陽よし! p(^-^)q

風向きよし! (・ω<)━━♪♪

サーマル(上昇気流)よし! (*゜▽゜ノノ゛☆

雲底高度、高い! ヘ(゚∀゚*)ノ

二日目で、早くも最高のコンディションになる予感!?


最初は渋く、それ程上がらなかった。特に山際は!
今回のお客様は、普段は山岳エリアを飛ばれている。
だから、飛びながら「沖でサーマルが出ていますよ」と伝えても、
なかなか山から離れようとしない。 


飛び始めて一時間もしない内に渋くなり大半の方が降りてしまった。
A=´、`=)ゞ


雲の出来方から南の方が良いサーマルが出ているので
生き残ったパイロット(N岡さん、M島さん)を連れて移動を開始した。

読みは見事に当たり、川地は一気に3500mまで上がった。
お客様は2800m~3000m付近に有る逆転層で
手こずっていたので下から上がってきたエディーにバトンタッチした。


フラットランド(平野部)で一人で頑張っているN中さんを
フォローするために川地は沖に出す事にした。


時々入ってくるN中さん(ADVANCE Sigma6)の現状報告から
フラットランドの方がコンディションが良い事は推測できていた。

“ 4100m ” まで上げる事に成功した。 v(^-^)v


ピエドラヒタ山

カメラ 12時 標高4100mからピエドラヒタ山(標高2000m)を撮影


ここまで上げると一気に遠くまで、大体10kmは行くことが出来る。
N中さんに上手く合流する事に成功して、

ダム湖近くまで案内して引き返した。


ダム湖

カメラ 14時 3000mからダム湖を撮影


その後も案内して飛び続けたところ、

N中さんが疲れを訴えたので降りて頂いた。
三時間も飛べば当たり前か?


入れ替わるように、超低高度から返り咲きを果たした
N岡さん(Gin Oasis)を今度は案内する事にした。

この頃から30km北に有るアビラという町の上空に
あった怪しい雲が急速に発達してきた。

それは現在飛んでいる空域にも影響を及ぼし始め、
どこでも上がるようになり始めていた。

パイロット全員に山から離れ、
フラットランド(平野部)で上げるように指示を出した。
いざという時にXCで逃げようという作戦だ。


我々を誘う様に雲が北へ一直線に伸びていた。
その下へ入ると上げ直しは必要なかった。  o(〃^▽^〃)o

その証拠にT村さん(NOVA Mamboo)は降りたいと言ってから、
30分、15km以上飛んでいた。  A=´、`=)ゞ


結局、40km付近で北東からの風に阻まれて
ランディング(着陸)を余儀なくされた。


下層は強い風が吹いていたので、
機体が揺れないように慎重に降ろし、
地面に足が着いたら、フレアーよりも先に体の向きを
変えるように指示を出した。


最後に川地が着陸態勢に入ったが、

降りる直前に体の異変に気付いた。
6時間以上のフライトで4000m付近、5℃以下に長時間居たため、
体が硬直していたのだ。特に足が。 (((゜д゜;)))


着陸は完璧だったが、凍った左足太腿の筋肉が、
川地の全体重と飲料水の入った重たいハーネスを

支える事を拒否した。


太腿から鈍い音と激痛が同時に脳に到達した。 Σ(゚д゚;)
格好良く振り返り、フィニッシュを飾るはずが・・・、
地面に倒れこむように横になり、
市中引き回しの刑になってしまった。 Y(>_<、)Y タスケテ~


幸いにも骨折や肉離れは免れたが筋を痛めてしまい、
ツアー中はビッコをひいて歩かなければならず、

余儀なく不自由な生活をする事となった。  (-。-;)