時速25kmで120kmを飛ぶと・・・ | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<プレ世界選手権 四日目 タスク2成立>

今日こそは、誰もがそう願った。

そして、コンディションも整った。風も弱い。


タスクは120km先の北に有るWarialda(ワリアルダ)ゴール。


120kmタスク0308

って、チョッと待って!

だって今日の風の予報は西風だよ。

追い風で飛んでいくXC(クロスカントリー)型のタスクとは訳が違う。


案の定、ゲートオープンして飛び立ち、

スタートをしてから1時間が経とうというのに、

まだ、25kmしか進んでいない。

ということは、ゴールするにはあと4時間は飛ばなければならない。


フリーフライトでXCならそれもまた良いかも知れないが、

レースで5時間フライトは相当疲れる。

集中力も必要だし、アクセル(加速)バーは常に使い続ける事になる。


スタートは1:30,14:00,14:30と3つ用意されて、

どの時間に出てもよいというルールだ。

2番目の14:00にテイクオフ上空をスタートした。

スタート前0308


とにかくサバイバルレースになることは分かっていたので、

ワールドカップ上位の選手のグループと一緒にずーっと飛んだ。

彼らも当然そのことは分かっていたようだ。

移動スピードも超スローペースだった。


100kmを飛び、ゴールまであと20kmとなった頃には、

日はすっかり西に傾き、サーマルはショボショボ状態になった。


川地はここで最初で最後のミスコースをした。

サーマルを探すために広がった時に一番東の端のポジションを取ったのだ。


当たれば、一番先に上がりファイナルグライド!

が、無情にもサーマルは反対側の西の端の機体でヒットした。

高度にそれほど余裕が無い状態でのこれはきつかった。

低い高度ではサーマルに上げ直す事ができるだけのパワーも無く、

力尽きて降りた。 (-_-メ)


ゴールまで、あと7km。

800m上がれば、届いていた・・・。

生き残った10機の機影がゴールの空へ消えていくのを見送ってから、

機体を畳み始めた。