翔の進歩14 靴を履かせて! | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<自宅>

100%雨である予測がついたので、

金曜日にはタンデム川地塾は中止に決定していた。

したがって、今日は自宅でお仕事だ。


確定申告をしなければならないので、その準備をしなければならない。

実は先日税務署に出かけて、一度書類をチェックしてもらったが、

一部に不備があったので、作成しなおす事にしたのだ。


それ以外にも環境整備がある。

部屋の一角を、

「川地塾“本部”事業所」

(そんな大げさなものではないが・・・)

としたものの、まだまだ機能的とはいえない。


おまけに長き間に溜まった書類(殆どがいらない物)が

棚を占拠しているので、これを期に一気に整理しようと思い立ったのだ。

こんな機会でもなければ、なかなか出来ないのが世の常である。


とは言うものの

一日中、書類の作成や仕分け作業をしていると精神的に疲れてくる。



翔も同様で、外が雨なのでワイフは家の中で翔を遊ばせていたが、

一日中で家の中では、流石に飽きてきたのか?今一ぐずりぎみである。


「よし、翔! 散歩に行こう!」 「お出かけするぞ!!」

「・・・、フッバァ!フッバァ!(行こう!行こう!)」 


ワイフが外出用の服に着せ替えていると、

突然、体をよじって何やら背伸びをし始めた。

お着替えが嫌なのか??と一瞬思ったがそれは間違いだった。


それまで見向きもしなかった、少し離れた所に有る

“脚用補装具”に精一杯背伸びをして、手を伸ばして引き寄せ、

ワイフに手渡ししたのだ。


明らかに、

「お外に行く時は靴を履くんだよね!」

「靴を履かせて!!」

という行為だった。


未来を“予測する”ということとが出来た一瞬だった。

そして、しなければならない事を理解している証拠でもあった。