川地塾in朝霧RS 第二回一日目 | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<お仕事>

“逆朝霧マジック”まさに今日はそんな気圧配置だ。案の定、関東一円は晴れていたのに、朝霧は90%以上が雲で雲底も低かった。しかし、それでもソアリングが出来て、しかもサーマルも穏やかコンディションになる朝霧だからこそリスタートコースのトレーニングにはもってこいだった。塾生は皆さん充分なフライトとトレーニングができました。明日の天気は悪い予報だったのでフライトは出来ないと判断し、リバースライズアップは明日行なう事にした。


今日のお題は「ピッチング」。このコントロールが以外にできていない人が多い。いや正確に言うと、普段は出来ているが、“肝心な時”に出来ていないのである。つまり、サーマルに入った瞬間や風が荒れた時のような緊張した局面で、体が硬直して動いていないのである。その様な局面だからこそ、しっかりとコントロールをして機体を安定させて、安全を確保しなければならない。では、ピッチング安定のテクニック(技術)を教えれば、理解すれば大丈夫なのか?


「否」である。


なぜなら、殆どの塾生は安定させる技術などスクールで教わって知っているし、通常は問題ないレベルで出来ているからだ。遥か昔、パラ創世記の頃か、もしくは極一部のいい加減なスクールを卒業していない限りは (-。-)y-゜゜゜


では、川地塾で何を学んで、何をトレーニングして欲しいのか?


それは、「どんな局面でも冷静に考え、対処すること」。そして、精神的な余裕を多くし、タフになるためにメンタルをトレーニングして欲しいのである。意図せずサーマルに入り大きなピッチングを起こしても、慌てず即座に対処すれば、その後の揺れ返しによる大きな潰れは回避できるということを学んで欲しいのである。


そのために、自らグライダーを揺らすことで“揺れに対する免疫”を付けて、「パラグライダーは揺れる物」だという事を体で理解してもらうのである。それが精神的な余裕につながり、安全につながるのである。


どんなにハイ・テクニックを会得しても、“ノミの心臓”では安全にはならない。川地塾とは「技(テクニック)」を学ぶ所ではなくて、「心(メンタル)」を学ぶ所であると理解して欲しい。