そして、翔は預けられた | 見えない翼

見えない翼

私達は誰もが夢に向って翔る“見えない翼”を持っています。しかし、多くの人々が夢を追う事を諦め、翔る事をいつしか忘れて・・・。
そんな世の中にあって、パラグライダーの世界一へ挑戦し続ける父と重度の障害を持ちながらも懸命に生きようとする息子の奮闘日記です。

<療育センター>

明日、川地はポルトガルに向けて出発する。ワイフは働きながら翔を保育する事は不可能だ。1日や2日は無理すれば何とかなるだろうが・・・。そこで、翔は療育センターへ入所させられる事になる。少し遠いので朝早く起きなければならない。食事もいつもより30分以上早い。何だか異変に気付いた翔は半分しか食事を取らなかった。ママを駅まで送った後にセンターに向かった。

センターではとても良い子だったが、時折聞こえてくる泣き声につられて泣いていた。いばしのお別れだが、翔には理解できないだろう。最近は、バイバイすると、にこやかに微笑むようになったが、今日もニコニコしながら見送ってくれた。