伝説のドリフト男列伝① | ディープ「D」の世界

伝説のドリフト男列伝①

「ドリフト」がスゴイなんていうのは、誰に教わったことでもなく見りゃわかることなんですが、こうも人気があると、やっぱり誰かいて、そこにドラマがあったからここまで多くの人がドリフトについて語るようになるんだろうな、、。と思って書き始めたのが「伝説のドリフト男列伝」です。
マシンコントロールの究極の姿、限界を超えた限界。滑ってるやつはかっこいいし、速い。そう信じたい人にとって、1番はじめに取り上げた、ロニー・ピーターソンは神様みたいなもんだと思います。
70年代のF1ビデオとか見るとわかります。なんか彼だけ違う論法で走ってますから。しかも、「見せドリ」じゃない気迫が漂ってます。
彼を育てたのはもちろんロータスのコーリン・チャップマンですね。魔術師的なビジネスマンであり、錬金術師的なマシンデザイナー。彼はコスワースエンジン、タバコ・マネーをF1に持ち込み、グランドエフェクトカーの先鞭をつけました。
ことにグランドエフェクトカーは空力の作用で車体下面に負圧を作り出し、路面にマシンを吸い付け、とてつもないスピードでコーナーを曲がれるという技術で、ロータス78というマシンはF1界に革命をもたらしました。
このマシンは正面からの空気の流れを計算して作ってあって、斜めに走るドリフトなんかは想定外。サスもストロークしない。時代は確実にグリップ走行へ向かっていったのです。
ところが、78年のロータスのセカンドドライバーは何故か「サイド・ウェイ」ロニーだったのです。彼の走りはチャップマンの思いとは裏腹もいいとこで、グランドエフェクトなんておかまいなし、滑らせまくって、エースのマリオ・アンドレッティより速かった。
ドリフトは死なない。
そんなわけで、時代に抗うかのような、彼のラスト・イヤーの走りはいまだに多くの人の心に刻まれているのです。