18日付朝日新聞朝刊1面トップに「コンタクトレンズ診療所 診療報酬水増し請求」の大きな活字が踊った。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200611170426.html
コンタクトレンズ(CL)診療所には、4月の改定で、再診料の包括など大幅な引き下げが行われた。確かに不正請求、水増し請求はよくないことだが、いきなり大幅な引き下げを行うというのもどうかと思う。少なくとも半年程度の周知期間がなければ、人員配置の見直しなどを含むリストラもできないからだ。
記事には「CL診療所の1月当たり請求額が250万円に減るとみられていた」とある。私もCL診療所に行ったことがあるが、ビルにテナントで入り、従業員も4~5名はいた。
家賃と人件費で、150万円程度かかってしまうと思われた。コストはそれだけではないわけで、請求額が250万円なら、恐らく院長の月額手取額は100万円を上回ることはまずないだろう。もし、開業の際の借入金返済が月80万円、勤務医時代からの住宅ローンが20万円、合計100万円を返済していたら、どうなるかということだ。
CLの診療費がいくらが妥当かはさておき、今回の措置は様々な教訓と経験をもたらした。
まず、診療報酬の大幅な引き下げは、水増し請求の温床になったということ。また、医療用具としてのCLの扱いが妥当かということ。以前は眼鏡同様、CLは、2回目以降はノーチェックで購入できたが、今はできない。その段階で、保険診療でのCLチェックの患者の増加は見込まれたはずで、その際に手を打つべきであったのではないか。数量が増えれば単価を下げるのは診療報酬の常套手段であるにもかかわらず、対処が遅れた面がある。
そもそも保険適用が妥当かという論議もある。
また、今後の外来包括化の論議にも影響を与えるだろう。各都道府県の監査が強化されることも、想像に難くない。
患者の利便性、安全性を損なわず、CL診療所がなんとか運営できる評価とし、不正は許さず・・・とすべて丸く収めるのは、けっこう難しい問題のようでもある。
19日の朝日新聞社会面に、本件の続報があった。
そこでは、CL販売店と併設診療所の仲介者の存在、名義貸しの問題も明らかにされていた。
量販店の関与も取り沙汰されている。
介護保険にみる、民間事業者と医療系事業者の経営に関する感覚の差異にも似ているようでもある。
ただし、「悪いことをするのは民間事業者。だから株式会社の医療参入はだめ。」というのは飛躍しすぎだと思うが。