園まりさんの1968年(昭和43年)の年賀状です。

 所属レコード会社の日本グラモフォンが作成されたと思います。

 1967年12月15日発売の最新曲「愛情」の宣伝を兼ねています。

 今、振り返ると1968年は園まりさんにとって公私共に厳しい年だったと思います。

 平尾昌晃さんと初めてタッグを組んだ意欲作「愛情」はオリコン週間ランキングが最高25位の中ヒットに止まり3月発売の次作「好きなの好きなの」は週間売り上げで50位内に入らず、出演された東宝映画「クレイジーメキシコ大作戦」の挿入歌に使用され挽回を期した4月発売の「あなたのとりこ」も最高順位36位の中ヒットでした。 

 9月に発売された「泣きぬれて/ひとりにしないで」は両A面の勝負作でしたが、こちらは週間売り上げで50位内に入りませんでした。

 前年から比べるとあまりに急激なレコード売上の減少だったと思われます。

 映画では松本清張さん原作で藤田まことさんと共演の東宝映画「愛のきずな」に出演されましたが公開は当初の予定の11月から翌年1969年2月に変更になりました。

 4月にはレギュラー番組「土曜日の恋人」が終了し6月の日劇でのワンマンショーも前年のように話題になりませんでした。

 プライベートでは前年の夏頃から交際を始められた平尾昌晃さんの肺結核が年始めから悪化して12月には岡谷市の病院に緊急入院、長期療養を余儀なくされる事になり心労重なる年だったと思います。

 年末の紅白歌合戦には出場を果たされましたが歌唱曲は宮川泰さん作曲で映画「愛のきずな」の主題歌「ひとりにしないで」でした。

 園まりさんは療養中の平尾昌晃さんのために平尾昌晃さん作曲の「泣きぬれて」を歌いたいと思われたと思いますが叶いませんでした。

 この年、三人娘の一人、伊東ゆかりさんが平尾昌晃さん作曲の「恋のしずく」が大ヒットして紅白歌合戦でも歌唱されたのを園まりさんは複雑な心境で聴かれたのではないかと思います。