四萬六千日 | 全力失走

四萬六千日

さぁ、お参りに行こうとした矢先、


母:「あんた、今年じーちゃん亡くなっとるがいね」


誰かが亡くなった年は行かないそうな。

昔は部落の誰かが亡くなったら

その年のお祭りの神輿すら出さなかったらしい。

仕方なく行くのをやめる。

部屋から神社へ向かう道を眺めてみる。

閑散としております。

人一人も見当たらない。

四萬六千日の旗だけが風に靡いてます。

この祭りこの町の今の4,50代の人達が

いなくなってもちゃんと続くんだろうか。

いや、そん時は私が町中に旗を立ててやろう。

神社へと続く道に俳句を並べてやろう。

神社で毎年貰うやけに甘い白とピンクの菓子を配ってやろう。


田舎の良さは山や川や空気だけじゃなくて

一番はその町の足跡が風化していない所だと思う。

いつか私に子供ができたら

「昔は部落の誰かが亡くなったら神輿も出なかったんだよ」

って教えてあげるんだ。