「マ」の項=「松」 | 因業爺のブログ

「マ」の項=「松」


竹、梅と共に目出度い樹木の代表である。
竹は様々な用途に利用されている。
竹の子も恐るべき速さで成長する。
梅は春先に早々と花開き、香りも良く実はとても良い効能を持っている。
竹も梅も生活に密着しているのだ。

松は「松竹梅」と言ってその筆頭であるが、利用価値は低い。
松葉、松ヤニ等多少の利用はされて来たし、
戦時中は根から油を取ったこともあるが、
松は主に観賞用として植えられて来たのだ。

公園や庭木として眼に入るのは、良く手入れをされ、姿も整えられているが、
もし放任しておけば、一年に五十センチも伸びるし、
その勢いの良さは眼を見張るものがあるぞ。

元来、日本人は、先のとがった物が天に向かって立つ所に
神が降り立つと考えて来た。
正月の松かざりもツンと立った松と、竹を斜めに切って先をとがらせた物を
門口に立てて、神を待っているのだ。
松の美しさは針の様な葉先が空に向かってそろっている所にある。
ゴツゴツとした幹も力強く、
全体として見事としか言いようがない。

そう言う俺も、庭師になるまでは、松はおろか樹を視る事など全くなかった。
皆んなも多分庭木に興味など無いに違いない。
それなのに長々と松の事を書いているのは、
是非共、樹木に目を向けて欲しいからだ。

と言うのは、人間は植物なしには生きられないと言う事を
忘れている者が多いからだ。
太陽のエネルギーを受けた植物が、澱粉と酸素を作り、
それを動物はいただいて生きているのだ。
原子力や電気で人は生きられないぞ。

松竹梅を始め、雑草に至るまで大切にしなければならないのだ。
まずはまずは、松でなくて良いから「お気に入り」の樹や草を見つけてくれ!
そして次第にあらゆる樹木、植物に眼を向け、
心をそそいでくれると嬉しいぞ。

忘れるなよ!
「植物が動物を生かしている」





マの項 完



次回「ケ」の項は 12月12日