「へ」の頃=平和
俺が生まれたのは昭和十四年、一九三九年だ。
太平洋戦争が十六年から二十年まで。
だから子供の頃は歌も遊びも本も戦争一色で
俺等の夢は陸軍大将か海軍大将ばかり。
空軍大将がいなかったのも敗因の一つかも。
もっとも今考えれば、勝てるわけなどない事が良く解るし、
勝った方が良かったかも問題だなぁ。
負けるのはキライだけどな!
教え子達に戦争の正義を説いた父は、
後年「勝てるとは思わなかったが、丁度良い所で停戦に持ち込めると思ったぞ。
最後までやっちゃうから朝鮮も台湾も取られちゃったんだぞ」
と言った。
父は「豊島師範」出身だぞ!
ちょっと待てよ、もともとそこは日本の土地じゃないぞと思ったが、
老父をやり込めても仕方がないから黙ってたな。
父は戦史を洗って「ミッドウエー」がとか、「ガダルカナル」とか敗因を語ったが
俺が思うにはただ敵が強かっただけだよ。
世界中が敵だもの!!
問題はその後の、日本の指導者達にあるのだ。
負け犬根性丸出しで、今や「ポチ」扱いされているぞ。
「日本はアメリカの為の不沈戦艦」などと口走った元総理も
軍人だったのだぞ!
確かに世界地図を見るとアメリカにとって
日本はすごい所にある島だな。
基地の島だよ、手放せないよな!世界戦略上!!
アメリカは「国益」という言葉をよく使うが、
それは他国の不利益を意味する場合がほとんどで、
あんたら「ワガママ」だぜ!
「鬼畜米英」と教えられて育ったからだけでなく、
おらあアメリカはキライだい!
それにも増して「戦争には反対だが軍隊は必要だ」と
言っている人達はヤだ。
ワケわかんねえや。
軍事力を背景に交渉を有理に運ぼうてえのはキタネーやい。
個人のどんな努力も全てフイにしてしまう戦争、
その臭いは「元から断たなきゃ」だめだぞ。
今回贈る言葉は
「戦争より平和」だ。
「へ」の項 完
(次回「ト」の項は6月27日)