一器増減と幸運不運
翁のことばに、本来東西なしとか、過不及なしなどとは、平らな器をみていうことばで、本然の天理をいったものだ。ここに現実に一つの器があって、己という立場があるときは、どうしても傾かざるをえない。傾けば器の中の水が必ず前後左右に増減する。これを世間でだれそれは幸運、だれそれは不運などというのであって、それは、だれそれという、己の立場があるためだ。己がなければ東西もなく遠近もなく、過不及もない。それが本然の天理なのだ。古語(出典不詳)に「天運循環して往きて復らざるなし。」とあるのは、傾いた器の水が増減するのをいうのだ。だれそれは幸運、だれそれは不運などというのもこの場合なのだ。私の歌に、「増減は器傾く水と見よ あちらにませばこちらへるなり」というのがあるのは疑いない。・・・・・・・・・略・・・・・・・・・。
引用 訳注二宮翁夜話 福住正兄原著 佐々井典比古訳注より
かんそう
世界が大きすぎるので増減がわからないのですが、米は食べれば減るし、採れれば増えます。ただこの道理があるだけで何もしないのに米が増えないし減ることはない。
ウスイツカサ