皆さんこんにちは。

最近は WHY R U? 関連の記事ばかり書いていましたが、今回はBLではないタイドラマの視聴感想を書こうと思います。

 

作品のタイトルは「Who are you เธอคนนั้น คือ ฉันอีกคน」

 

後ろのタイ文字の部分は多分ですが「あの人はもう一人の自分」みたいな意味だと思われます。英語としても「She Is Another Me」と訳されているので、まあ間違いないかなと思います。

 

この作品、SOTUS The Series(タイBLの金字塔と紹介されることが多い作品)の主演俳優のお一人であるKristさんがメインキャラクターの一人として出演されていて話題になっていたようですが、BLではないです。なんなら超暗い話です。学園ミステリー物です。でもものすごく面白いし、よくできた作品だと思うし、大事なメッセージが込められていると感じましたので感想を投稿することにしました。

 

この作品、ネタバレをすると面白味がなくなっちゃうので(全て計算して作られているため)ネタバレは避けます。私の文章力で皆さんに魅力が伝わるか不安ですが、頑張ります!

 

前置きが長くなりましたが、まずは作品の基本情報から順を追ってご紹介します。

 

目次

 

基本情報

  • タイトル
    • Who are you เธอคนนั้น คือ ฉันอีกคน
  • 制作
    • GMMTV
  • 原作
    • Who Are You: School 2015
      韓国のKBS2にて2015年に放送されたSchoolシリーズの一つ。邦題は「恋するジェネレーション」。
  • 監督
    • Kanittha Kwunyoo
  • 放送
    • 国:タイ
    • 媒体:GMM 25 と LINE TV
    • 期間:2020.05.02 から 2020.06.28 まで
  • ジャンル
    • ミステリー
  • 話数
    • 全18話

あらすじ

壮絶ないじめに遭っている主人公 Mind(マインド)はある日、退学を余儀なくされる。そして一人の少女が橋から身を投げ出し、その後病院では一人の少女が目を覚ました。病院で目を覚ました彼女は頭部を怪我し、記憶を失っていた。記憶を失った彼女は周囲から Mean(ミーン)として扱われる。ミーンの親友 Natee(ナティ)とクラスメイトの Gun(ガン)は彼女が記憶を取り戻す手伝いをする。次第に記憶を取り戻すにつれ、彼女は苦しみを覚えていく。果たして彼女はいったい誰で、どうするのか。Natee や Gun との関係はどうなるのか。学校を舞台にしたミステリーの結末やいかに!?
 
韓国で制作された「Who Are You: School 2015」(邦題:恋するジェネレーション)がタイでリメイクされた作品です。
 

視聴方法

公式でYoutubeから視聴可能です。ほぼ日本語字幕つき。

公式のYoutube再生リストはこちら:

日本語字幕がついていないお話が後半に1話か2話分くらいあります。でも英語字幕は必ずついてますし、そんなに難しい英語は使われてなかったので是非トライしてみてください。

2021.08.22 追記

2021.08.26から、BS朝日で放送されるようです。未視聴の方は是非!!!

登場人物

英語版Wikipedia の情報をもとに記載しています。

メインロール

  • Meennara Nunnithisopa (Meen) / Manita Euarak (Mind)
    ミーンナラ ナニティソパ(ミーン)/ マニタ エウラック(マインド)
    • 演:Tipnaree Weerawatnodom (Namtan) 
      Twitterアカウント名:NamtanTipnaree

       

       

    • この話の主人公。マインドは孤児で壮絶ないじめに遭っているが心優しい。ミーンは比較的裕福な家庭にもらわれ育った少しわがままで勝気な女の子。

  • Natee (Na)
    ナティ(ナ)
  • Gunkan (Gun)
    ガン
    • 演:Kay Lertsittichai(Kayavine)
      Twitterアカウント名:kayavine
      Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/Kayavine

       

       

    • ミーンのクラスメイト。自分で自分をイケメンと言うなど、おちゃらけて周囲と壁を作っている。授業中によく寝ている。裕福な家庭に育っている。

サポーティングロール

  • Tida Traiwitsakul(Tida)
    ティダ トライウィサクル(ティダー, ティダ)
    • 演:Ployshompoo Supasap (Jan)
      Twitterアカウント名:janhae

       

       

    • マインドをいじめていた主犯。親が検察官として権力を持っている。

  • Chaowat (Pete)
    チャオワット(ピート)
    • 演:Harit Cheewagaroon (Sing)
    • ミーンのクラスのクラス長。真面目で成績優秀。父親は警察官の偉い人。母親は保護者会の会長で個別指導塾を開いている。
  • Lyla
    ライラ
    • 演:Apichaya Saejung (Ciize)
    • ミーンのクラスメイトで親友の一人。勉強が嫌い。
  • Arisara (Kat)
    アリサラ(キャット)
    • 演:Juthapich Indrajundra (Jamie)
    • ミーンのクラスメイトで親友の一人。クラスで一番可愛い女の子。芸能界を目指している。
  • Q
    キュー先生
    • 演:Nuttawut Jenmana (Max)
    • ミーンのクラスの担任で数学教師。生徒思いの心優しい先生。
  • Kwan
    クウァン
    • 演:Mayurin Pongpudpunth (Kik)
    • ミーンの母親。ミーンが10歳のときに孤児院から引き取って以来、ミーンを育てている。
  • May
    メイ先生
    • 演:Alysaya Tsoi (Alice)
    • ミーンのクラスに教育実習生としてやってくる。
  • Korn
    コーン
    • 演:Songsit Roongnophakunsri (Kob)
    • ガンの父親であり、ミーンたちの学校の理事長でもある。
  • Pacharee
    パチャリー
    • 演:Apasiri Nitibhon (Um)
    • ピートの母親で、保護者会会長。個別指導塾を開いている。
  • Leng
    レン
    • 演:Santisuk Promsiri (Noom)
    • ナティの父親。
  • June
    ジューン
    • 演:Wanwimol Jensawamethee (June)
    • ミーンの親友だった。
  • Damrong (Gus)
    ダムロン(ガス)
    • 演:Krittanai Arsalprakit (Nammon)
    • ミーンのクラスメイト。
  • Kannika (Koykaew)
    カンニカ(コイケオ)
    • 演:Napasorn Weerayuttvilai (Puimek)
    • ミーンのクラスメイト。
  • Darunee
    ダルニー
    • 演:Kallaya Lertkasemsab (Ngek)
    • ティダの母親
  • Thanadol
    タナドル
    • 演:Surasak Chaiyaat (Noo)
    • ティダの父親で検察官。
  • Mew
    ミュー
    • 演:Panadda Wongphudee (Boom)
    • ガンの母親
  • An
    アン先生
    • 演:Kittipat Chalaruk (Golf)
  • James
    ジェームズコーチ
    • 演:Thanaboon Wanlopsirinun (Na)
    • ナティが所属する水泳チームのコーチ

感想

全体

 総じて、無駄がなく細部まで丁寧に描かれていてリアリティと説得力がありました。話数も18話と長いですが、最後まで目が離せない展開でした。話にグイグイ引き込まれて続きが気になってしょうがなかったので、一気見してしまいました。ミステリーですがいじめ・格差・受験戦争・自分探し・親子関係などのティーンエイジャーが遭遇する社会問題が描かれていて、とても考えさせられると同時に勇気を与えてくれる作品だと感じました。
 
 いじめは氷山の一角に過ぎない。本当の問題は社会全体にある。いろんな問題が複雑に絡み合っている。私はこの作品を見てそう思いました。ティーンエイジャーにこの作品を見せるのは正直難しいですが、これから先の社会を担う若い世代に是非、見て欲しい作品です。
 
 役者さんたちの演技も素晴らしく、特に主人公のミーンとマインドを一人で二役演じたNamtanさんには驚きました。本当に別人で、実際に双子が演じているのではないかと思ったくらいです。その他の人たちも違和感を感じる人は誰一人としていませんでした。
 
 冒頭から酷いいじめのシーンですし、他にもかなり辛いシーンの多い物語でした。役者さんたちのメンタルケアはどうなっていたのか気になったくらいです。私も見ながら号泣していました。それぞれの立場の辛い気持ちがすごくよく伝わってくるし、よく理解できるものだったのもあるでしょう。
 
 この作品は複数のストーリーが絡み合っています。話が進むにつれ絡まった糸が綺麗に解されていきますが、これがとても気持ちよかった。どこも雑なところがなく、主人公だけでなく脇役も行動の背景や動機が家族の問題を含めて丁寧に描かれていました。その結果、ストーリーとキャラクターに奥行きが生まれ、リアリティと説得力をもたらしたのだと思います。
 
 音楽の選択もいいと思いました。一方で、前半で一部、曲の編集がイマイチなところがありました。そこが少し残念です。

各キャラクターに対して思ったこと

 マインドはちょっとお節介でとても勇敢で心優しい。人として尊敬します。ただ、立ち回りがうまくないし、賢くはないですね。不器用というか。また、ちょっと頑固な側面も見えた気がします。私は彼女と似ている部分があるので気持ちや行動が理解しやすかったです。
 
 ガンは行動がイケメンでした。彼には幸せになってほしいと本気で願いました。また、役者さんの笑顔の使い分けが完璧でこの人も凄いなと思ってました。仮面としての笑顔と心から溢れる笑顔など細かい表情と心情の違いもはっきり現れていて素晴らしかったです。
 
 ナティは個人的にはそんなに魅力を感じませんでしたが、人としては尊敬します。優しいし、親切で努力家です。マインドと違って下手に踏み込みませんが冷たくはないですし、器用な方だなという印象でした。
 
 ティダは加害者ではあるんですが、彼女もまた社会の犠牲者であるのだと感じました。この親ありてこの娘あり、だなと。結局自分のことしか考えていない父親と、何があっても自分が「正しい」と思い込ませてくる母親と。彼女はとても可哀想な人でした。でも誠実な対応をするチャンスを何度も与えてもらえて、この子はとても恵まれています。実際には、インターネットが発達したこの現代社会において、そんなチャンスはなかなか与えられないし、与えられていることに気づかせてくれる人はあまりいないのではないでしょうか。
 
 ピートは格好よかった。彼はとても良い子で、真面目で優しい。ドアが開かなくてよかったと心底思いました。(←これは観た人にだけ通じると思いますが)
 
 Q先生もイケメンでした。何度が名言が飛び出していて、もしこんな先生が担任だったらベタ惚れします(笑)もちろん良いところだけじゃなくて、見栄はってたり弱さを見せたりしていてそれもまたよかったです。酔っ払っている演技も良いなと思いました。
 
 親については、例えば過干渉だったり、相手の言い分に決して耳をかさなかったり、子供を自分の所有物のように扱っていたり、子供に理想を押し付けたりしている様子が描かれています。決して親だけが悪いわけじゃないのですが、ある時期まで(人によってその時期は異なる)子供にとって親は絶対的な存在であり、親の価値観は無意識化に刷り込まれていくんですよね。それは一番身近な大人が親だから。
 
 子供が責められると親自身も否定されたように感じてしまったり、自身ができなかったことや理想を「子供のため」と押し付けてしまったりするのは、きっと誰しもあるんだろうと思います。親だって人間です。失敗だってする。それでもそんな時、そのやり方は間違っているよとか、こんな方法もあるよとか、こうやって起き上がれば良いんだよとか、伝えてくれる人たちの声には耳を傾けて欲しいし、自分もそうなりたいと思います。そして社会全体として親たちやお互いを支えあっていければ、社会はもっとよくなるかもしれない。私はそう感じました。