プロローグ ─── 「ブッシュ王朝(3)ビジネス・プロット」からのつづきです。

 

 

ブッシュ王朝(4)

Global Research]2018年12月5日 ゲイリー・G・コールズ医学博士

 

pixabay

 

 

ウォール街が計画したホワイトハウス乗っ取り(2)
ルーズヴェルトがウォール街の富を巻き上げたとき、クーデターが設計された

TIME LINE]2017年8月11日 マット・レインマン

 

国家を転覆させるという計画に驚いたバトラーは、まずは奇異な計画を検証するためにフィラデルフィアの改革派の新聞社を参加させることに決めました。

 

新聞社は、人気レポーターのポール・コムリー・フレンチを送り、フレンチは反ルーズヴェルトを装って陰謀の詳細を知るマクガイアをインタビューしました。

 

マクガイアは、デュポン家の資金提供によって武器製造企業のレミントン・アームズが軍に武器を供給すると述べました

 

私たちが築き上げたものを破壊する共産主義者からこの国を守るためには、ファシスト政府が必要なんです。愛国心があって、それを実現できる唯一の人間は兵士であり、理想的なリーダーはスメドレー・バトラーです。彼はたった一晩で百万人の兵士を組織化したんですから。

 

しかし、計画は実行されることはありませんでした。バトラー少将が告発したからです。

 

 

(左)アメリカ自由連盟をナチスに例え、笑いを集めるメーデーの催し。George Rinhart/Corbis/Getty Images

(右)1934年、議会委員会の証言に呼ばれたジェラルド・マクガイア。Bettmann Archive/Getty Images

 

 

下院マコーマック-ディクスタイン委員会

1934年11月20日に公聴会が始まりました。バトラー少将が連邦政府に告発して二度目の証人喚問です。バトラー少将は言いました。

 

マクガイア氏に公平を期すために申し上げます。彼は血に飢えていたわけではありません。力を誇示することによって平和的な政権委譲を図りたいのだと私は感じました。

 

新聞社のポール・コムリー・フレンチはバトラー少将の証言を裏付けました。

 

しかし、ジェラルド・マクガイアは、アメリカ在郷軍人会がバトラー少将に金本位制への支持を求めたこと以外はすべて否定しました。

 

数日のうちに、新聞はその話題で持ちきりになり、「ファシスト軍を3,000,000ドルで入札」という見出しが踊りました。しかし、マスコミの多くはその話題が危険だと感じていました。

 

ニューヨークタイムズは、次のように伝えました。

 

詳細が不足しているか欠如している。説得力のない物語で、すべてが巨大なデマのようだ。議論するに値しない。

 

関係者はその記事に同意しました。銀行家のグレイソン・MP・マーフィーは「とんでもない嘘」と呼び、「アメリカ・スペイン戦争における名将であり退役軍人のバトラー少将が、そんな計画を信じたことに笑いを止まらなかった」と述べました。

 

ウォール街の銀行家トーマス・ラモントは、「完璧な捏造で、コメントするだけでも果てしなく馬鹿げている」と語りました。

 

公聴会の直前、ルーズヴェルト大統領と産業界のリーダーや経営者で構成される「アメリカ自由連盟」が結成されていました。メンバーは、次の通りです。

  • デュポン家
  • 銀行家グレイソン・MP・マーフィー(ジェラルド・マクガイアの上司)
  • 資産家ロバート・スターリング・クラーク
  • SBコルゲート(後にマンハッタン計画に関与)
  • 石膏王シーウェル・アベリー
  • ジョン・ラスコブ(デュポンとゼネラル・モーターズの財務担当)
  • アルフレッド・P・スローン(ゼネラル・モーターズを経営)
  • 元国務長官エリフ・ルート

そして、元ニューヨーク州知事で1928年民主党大統領候補のアル・スミス、銀行家でコネチカット州上院議員になったプレスコット・ブッシュもこの計画に関与していました。

 

これらの裕福で著名な人々に、証言を求められた人、罰せられた人は一人もいません。

 

バトラー少将は、1935年の著書『戦争は不公正である』によって大衆の人気を博し、平和主義を擁護し、知名度を上げ続けまし た。下院マコーマック-ディクスタイン委員会と新聞社のポール・コムリー・フレンチはバトラー少将が真実を語っていたことに同意しています。

 

そしてつい最近、フーバー・ダムの建設企業の従業員が、大統領を転覆するという計画について手紙で議会に知らせていたことが分かりました。多くの歴史家は、思考と現実のギャップを知らなければなりません。

 

バトラー少将が暴露したファシストの陰謀は、それほど的外れではありません。その陰謀には、戦争革命を成功させる3つの要素、お金が含まれています。

 

─── 歴史家のサリー・デントン

 

1930年代、ドイツとイタリアは、いかなる政府も信用すべきでないことを証明しました。大恐慌、世界大戦、そして、国が変革をするたびに金持ちは資産を増やしていきます。

 

 


エピローグ ─── どうですか、2020年に起こっていることと大して変わりありません。プレーヤーの世代が入れ替わっただけです。もしもご覧になってなければ、次の記事もどうぞ、すべてはつながっています。

「ブッシュ王朝(5)補足」へつづく・・・。