プロローグ ─── 一部には「日本強い」という人がいて、一部には「中国弱い」という人がいて、あ、どっちも同じか(笑)。で、実際のところどうなんだろう? というのを明らかにできればと思います。

 

 

現代戦の実態

湾岸戦争以降の資料から、現代戦のおおよそのセオリーをまとめてみました。

 

  1. 経済制裁
  2. 軍事衛星、偵察機、潜水艦、サイバー部隊などによる戦力調査や分析
  3. 軍事戦略策定
  4. 軍事演習による敵軍の運用実態の把握、戦術シミュレーション
  5. 駆逐艦や戦車などにより、エネルギーと資源の調達ルートを封鎖しながら軍を全方位に展開
  6. ミサイルと戦闘機によって、レーダー施設、ミサイル基地、ミサイル車両を全力でたたく
  7. 制空権がとれたら、ミサイル、戦闘機、攻撃機、爆撃機によって航空施設、電力施設、軍需工場をたたく
  8. 必要に応じ、軍事施設、戦車、軍用車両をたたく
  9. 敵の主戦力が後退したら、航空支援を行いながら揚陸艦によって上陸、または、パラシュート部隊で侵入
  10. 航空支援を行いながら主要施設を占拠、中継基地を構築
  11. 機をみて要人を捕獲しながら敵国の情勢を分析
  12. 停戦または和平交渉

 

素人なりに、日本の現状を分析してみます。

 

自衛隊に、6. 以降の作戦は実行不能でしょう。中国のレーダー施設やミサイル基地は1,000〜3,000kmも離れています。中距離、あるいは、準中距離弾道ミサイルでなければ届きませんが、持っていないのです。

 

戦闘機を飛ばしたら、目標を発見する前に四方八方から対空ミサイルを浴びるでしょう。高高度侵入ができないF-35も丸見えです。ミサイル駆逐艦も同様、中国の地対艦ミサイルや中距離弾道ミサイルの方が射程が長いですから。

 

なお、中国は分かりませんが、ロシアはすでに電子妨害システムを配備しています。

 

メモ・電子妨害システム

通信、レーダー、GPS、電子機器の無力化が可能。ミサイル誘導システム、ステルス戦闘機、ネットワーク攻撃システムなど、最新兵器が使えなくなります。過去、黒海でアメリカの戦闘機と軍艦が機能不全に陥ってます。

 

日本にもこの技術があれば・・・。でも、兵器を作る技術がないと、防御兵器も作れないんですよ。

 

トマホーク導入に議論は必要ですか? それとも一か八か、玉砕覚悟で戦闘機を送りますか? 迎撃ミサイルも足りていないので、日本人は弾道ミサイルが飛んでくるのを黙って見てるほかありません。

 

抑止力とは、敵に攻撃する気を起こさせないこと。以前は、核兵器が一番安上りと考えられていただけで、核兵器である必要はありません。なお、攻撃三倍の法則は、第一次世界大戦のときのもの、後に否定されています。

 

現代の抑止力とは、敵の迎撃能力を超えるミサイルに加え、敵のミサイル施設を攻撃可能な戦闘機のようです。相手が中国ならその数は軽く1,000を超えるでしょうね。台湾はミサイルだけで3,000発以上保有してます。九州と同規模の国がですよ。

 

なお、下記の通り、現代戦において軍艦や潜水艦は主戦力ではないようです。

 

メモ・変化した軍艦の役割

対艦ミサイルの登場で、軍艦はちょっと動けるだけの海上施設になりました。現在は、基地や空母をミサイルから護衛するのが主な任務です。軍艦は戦車と同じ、誘導ミサイルを持たない敵には強いのですが・・・。

 

メモ・潜水艦の弱点

潜水艦は、浮上させなければただの魚雷艇です。なお、アメリカやロシアの高速潜水艦、大陸間弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦は別として、機雷を積んだ高速漁船でも破壊可能。

 

理屈だけだと分かりにくいですよね、次に簡単な数字で説明しようと思いますが・・・長くなりそうなので別の記事にしましょう。

 

 

Wikipedia

 

 

多国籍軍

なんとなくでも、日本に抑止力はなく、アメリカ抜きの専守防衛も成り立たないことがお分かりでしょうか。多国籍軍がいなければ、中国に対してなす術がありません。

 

しかし、非常に重大な問題も提起しておきましょう。過去の戦争、紛争において多国籍軍はわざと戦闘を長引かせてきました。ベトナム戦争、イラン・イラク戦争、アフガニスタン紛争、シリア紛争・・・例を挙げればキリがありません。

 

なぜだと思います? 兵器を売るためですよ。その国が払いきれない金額になるまでやります。これが近代以降の植民地化の方法です。どうか覚えておいてください。

 

健全な国は、兵器を自国で生産するもの。台湾がアメリカから信頼される理由でもあります。今後、日本はちょっと微妙な扱いになるかもしれません。韓国は・・・すでに除外されてましたね。

 

 

 

エピローグ ─── 憲法改正論議もこれから盛んになるでしょうね。でも、不思議だなぁ、憲法ってその国のものでしょ? どう運用するかはその国次第じゃないですか。

 

改正しなくても、「国民の生命を守るため」の軍事行動になにか問題があるのでしょうか? 例えば、シリアに平和憲法があったとしても、ISISを掃討するシリア軍を日本人は問題にしないでしょう。むしろ、何もしない方が「あの国かなりヤバ」と思うのでは?

 

憲法改正、なんかよく分からないなぁ・・・これも、中国とかの工作なのかもしれませんね。