金貨や地金の販売を装い法定利息を超える高金利で現金を貸し付けていたとして、警視庁生活経済課は29日、出資法違反(高金利)の疑いで、東京都足立区伊興、金貨販売店「G&P」経営、和田英久(34)と埼玉県入間市小谷田、同店従業員、小塚成和(33)の両容疑者を逮捕した。
同課によると、金貨販売などを装って高金利融資を行っていた「金貨金融」を立件するのは全国で初めて。和田容疑者は調べに対して黙秘し、小塚容疑者は「カネを貸していたわけではない」と容疑を否認しているという。
逮捕容疑は、昨年5月上旬~今年5月下旬ごろ、港区新橋のG&Pで、男性会社員(35)ら8人に、金貨を販売したように装って、最大で法定利息の約83倍で現金を貸し付け、約110万円の利息を受け取ったとしている。
「金貨金融」は、顧客に代金後払いで金貨などを売り、顧客に換金させる形式を取る。後から、顧客の換金額を大幅に上回る金貨の代金を取り立てるケースが多く、警視庁は代金と金貨の実質価格の差額を事実上の利息と判断した。
同課によると、和田容疑者らはスポーツ紙などで「ブラックな方でも可」と多重債務者向けに広告を掲載。昨年3月~今年5月、215人に約7500万円を貸し付け、約1870万円の利息を受け取っていたとみられる。
顧客の中には公務員や大手企業の社員も多く含まれていたという。
国民生活センターによると、「金貨金融」をめぐるトラブルは増加傾向で、同センターへは平成20年10月~今月24日までに計150件の相談が寄せられていた。
