マグニチュード(M)9・0を記録した東日本大震災で、震源の東端に位置する海底地盤が約5メートル隆起していたことが、東北大学地震・噴火予知研究観測センターによる水圧計の調査でわかった。
M7クラスの地震での隆起は1メートル程度と考えられており、今回は大きな隆起が津波を巨大化させたとみられる。
水圧計が設置されていたのは、震源から約100キロ東の海底(水深約5800メートル)。海のプレート(岩板)が陸のプレートに沈み込む境界(日本海溝)の付近で、海溝から陸側に約20キロの位置にある。
同センターが3月24日に水圧計を回収し、水圧から海水面の変動を推定したところ、地震により海底地盤が約5メートル隆起していることがわかった。震源域全体(長さ450キロ、幅200キロ)の中でも、観測地点の隆起量が最大とみられる。海底地盤の隆起量を実測できたのは、世界初。
