【ワシントン斉藤信宏】
米労働省が4日発表した2月の雇用統計(速報値)によると、失業率は8.9%と前月比で0.1ポイント低下し、09年4月(8.9%)以来1年10カ月ぶりの低い水準となった。改善は3カ月連続。市場予想(9.1%)も下回り、雇用の順調な回復ぶりを裏付けた。米景気の先行きに対する楽観的な見方が一段と強まりそうだ。
景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は、季節調整済みで前月比19万2000人増と、前月の6万3000人増から増加幅を拡大。1月の就業者数も速報値(3万6000人増)から上方修正された。雇用市場の強さを示す指標となる民間部門の就業者数も22万2000人増と大きく回復した。
就業者数の内訳を見ると、サービス部門が全体で15万2000人増と、前月の3万3000人増から大幅に伸び、雇用全体を支えた。製造業は3万3000人増、建設業も3万3000人増と堅調だった。政府部門は3万人減と4カ月連続で減少した。
