[東京 20日 ロイター]
2020年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)について、内閣府が、昨年6月に試算ベースで21.7兆円としていた赤字幅を23.2兆円に微修正することが分かった。政府筋が20日までに明らかにした。
試算は21日の閣議に提出する。PBは、必要な政策経費を借金に頼らず、税収などの歳入でどれだけ賄えているかを示す指標。借金に依存すれば赤字となる。
政府筋によると、慎重に見積もった場合のPBの赤字幅は、15年度が21.7兆円(対GDP比4.2%)、20年度は23.2兆円(同)となる見通し。昨年6月時点では、15年度は21.8兆円の赤字(対GDP比4.2%)、20年度は21.7兆円の赤字(同3.8%)と試算していた。
政府が昨年6月に閣議決定した「財政運営戦略」では、PBを財政再建の指標に据え、1)15年度までに赤字の対GDP比半減、2)20年度までの黒字化――を目標とした。
今回明らかになった内閣府試算は、財政再建に向けた足取りが、依然として鈍いことを浮き彫りにしており、消費増税論議に弾みをつけそうだ。
(ロイター・ニュース 山口 貴也記者)
