【ゲルゼンキルヘン(ドイツ)20日】
ブンデスリーガ・ドルトムントの日本代表MF香川真司(21)は19日、“レビア・ダービー”(同地区ダービー)のシャルケ戦(アウェー)にトップ下で先発。先制&決勝弾を決める大活躍をみせた。3-1での快勝に、地元紙は「香川のプレーは書道の流れるような筆」などと大騒ぎ。ドイツ最大のダービーマッチに予告通りの活躍で、歴史にその名を刻んだ。
地元紙は翌朝の20日付地元新聞、雑誌は香川の活躍を大々的に報じた。キッカー誌は1点(5段階評価で数字が少ないほど高評価)の最高評価でマン・オブ・ザ・マッチにも選定。「香川はセンセーション」とし、同誌採点の平均がブンデス1位となったこと、得点ランクも5位タイに浮上したことなどを報じた。ビルト紙は「香川、この勝利をビールで祝う」の見出しでベストイレブンに選出。レビア・スポルト紙は「ダービーの英雄に」と報じた。
日本代表のザッケローニ新監督(57)の初采配試合(10月8日、埼玉スタジアム)で対戦するアルゼンチン代表の目玉、FWリオネル・メッシ(23)=バルセロナ=が19日のスペインリーグ、対Aマドリード戦(アウェー)で右足首じん帯を負傷した。全治15日間の見込みで日本戦出場が微妙な状況に陥った。
メッシ自らの先制ゴールで2―1とリードした後半ロスタイム。相手DFウイファルシ(32)のスパイクを右足首に受けた。ピッチに倒れてのたうち回った。相手は一発退場。ソックスを脱ぐと、右足首は早くもぷっくりと腫れ上がっていた。両手で顔を覆って担架に乗せられ控室へ。試合後は松葉づえをついて移動バスに乗り込んだ。クラブは20日のMRI(磁気共鳴画像)検査の結果、右足首外側じん帯の損傷で少なくともリーグ2試合(22、25日)を欠場する見込みと発表。約15日間、戦線離脱するとみられる。
日本サッカー協会の小倉純二会長(72)は20日、2018、22年W杯招致活動のため離日。ロンドンへの出発直前にはメッシのけがの情報は入っておらず「メッシには来てもらわないと困る。心配はけがだけだね」と話していた矢先のアクシデントの報。18日に発売された入場券は約6万枚が即日完売。既に試合へ向けてメッシの来日渡航ビザ申請も届いている。メッシが来日しない場合、20万ドル(約1700万円)の違約金が発生する契約があり、来日はする見込みだが、ザックジャパンの船出を飾る試合出場へ、早期回復を多くのファンが願っている。
◆イタリア・セリエA第3節 チェゼーナ1―0レッチェ(19日、ディノ・マヌッツィ) 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)がイタリアセリエA・チェゼーナのリーグ首位の原動力となっているDF長友佑都(24)に絶大な評価を与えたことが20日、分かった。チェゼーナのクラブ公式雑誌の中の特集記事で語っているもの。長友は19日のレッチェ戦で定位置の左サイドバックで3試合連続完封に貢献した。ザッケローニ新監督は長友を定位置の左サイドバックだけでなく、攻撃的MFで起用という秘策を温めていることを明かしている。
これぞ秘策中の秘策だ。
数的不利に陥ったレッチェ戦で長友は90分間フル出場した。1―0勝利に貢献し、チェゼーナのセリエA奪首の立役者・長友に対し、選手の個人的評価を封印しているザッケローニ監督が大絶賛。更に攻撃的MFにシフトする構想を温めていることが発覚した。
「長友は素晴らしい才能とスーパースターになれる資質を十分に兼ね備えている。システムによっていろいろなポジションをこなせる。攻撃的MFでもプレー可能だ」
レッチェ戦で観客に配布されたクラブ公式雑誌「チェゼーナ・アレ」紙上でザッケローニ監督はこう語った。知将は指導者人生で3トップをサッカー哲学としてきた。南アW杯で、カメルーン代表FWエトーら世界的名手を封じてきたエースキラーを、本来の最終ラインではなくウイングなど3トップの一角に抜てきする秘策を披露した
