民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)に出馬するか注目されている小沢一郎前幹事長は25日午前、東京都内で自らが主宰する「小沢一郎政治塾」で約1時間、講演した。小沢氏は「この政治塾は下世話な政局話をする場ではない」と述べて、出馬の有無には言及しなかった。そのうえで「日本社会は政界でも官界でも一般社会でも劣化が急速に進んでいるようで心配でならない」と述べ、菅政権の政権運営を間接的に批判した。

 講演には党所属国会議員約50人が参加。小沢氏は「為替も円高に振れ、外需に頼り切りの日本経済は大きな打撃を受ける。政治、経済、不透明な状況になりつつある」と指摘した。菅政権が円高・株安に無策との批判が出ていることを念頭に置いた発言とみられる。

 ◇慎重論強まる 鳩山グループ

 代表選は再選を目指す菅直人首相の対抗馬として小沢氏が出馬するかが最大の焦点。小沢氏は24日夜、都内のホテルで鳩山由紀夫前首相と会談し「一両日中に(出馬の是非を)判断したい」と表明。これに対し鳩山氏は「現時点で菅氏に頑張って欲しいが、まだ分からないところがある」と条件付きで菅首相の再選を支持する考えを改めて示した。

 鳩山氏は菅首相と小沢氏の仲介を務める考えを示しており、首相とも会談する方向だ。鳩山氏は首相側と小沢氏側の対立の激化から党分裂につながることを懸念しているとみられ、両者間の調整を慎重に行う考えだ。鳩山氏のグループ内では「小沢氏の出馬は党分裂につながる」として小沢氏出馬に慎重な意見も強まっている。

 こうした動きを受け、鳩山氏側近の中山義活前首相補佐官は25日午前、小沢氏の側近の樋高剛衆院議員と会談。続いて中山氏は、首相を批判している山岡賢次副代表と会談し「鳩山氏と小沢氏が対応を協議しており、小沢氏への出馬要請には行けない」と山岡氏が26日にも予定する出馬要請に同調しないことを伝えた。鳩山氏は26日から訪露するため、25日の動きが山場になりそう。25日午後には党本部で、党代表選の立候補予定者の事前説明会が開かれる。

 菅首相は25日午前も衆院議員会館の自室で新人議員14人と懇談。代表選後の政府・党人事について「適材適所を一番に考え、いろんな人の力を結集したい」と述べ、挙党態勢を求める鳩山氏に配慮する姿勢を示した。

【念佛明奈】



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