【ワシントン】難航していた米金融規制改革法案をめぐる上下両院協議会の協議は25日未明、合意に達した。

 両院は来週、最終採決を行う予定。法案が議会を通過すれば、オバマ大統領は7月4日までに署名する見通し。

 26日からはカナダ・トロントで20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれる。会議直前に改革法案の合意が得られたことで、大統領は他の参加国にも同様の改革を迫ることができる。

 合意に達した法案は、銀行の自己勘定取引を規制する、いわゆる「ボルカー・ルール」について、大手銀行にヘッジファンドやプライベート・エクィティ・ファンドに対する限定的な投資を認めることになった。一部の大手行は、自己勘定取引部門の分離が必要になる可能性がある。

 デリバティブ(金融派生商品)取引に関する規制強化については、銀行に金利スワップ、一部のクレジット・デリバティブなど、自己リスクをヘッジするための取引を認めるものの、金属、エネルギー・スワップ、農産物など、より高リスクの分野では別会社の設立が必要になる。

 このほか、法案は、連邦準備理事会(FRB)に消費者保護機関を設置するほか、政府に破たん企業の分割、金融システムへのリスクを監視する機関の設置などの権限を新たに与えている。