私たち一人一人には創造的な力が備わっています。創造力こそ
我々人間に自然が与えてくれた、隠れ蓑の一種ではないかと考
えています。ところがわたし達は自然に備わった創造力を無意
識にブロックして、あまりにもたびたび間違った考え方を採用
するために、素直に進む場合に比べてはるかに多くの問題を抱
え込むという困ったこと習性を持っているようなのです。これ
からお話しするのは、自らに生まれつき備わっている創造力を
開放し、思考回路から障害物を取り除くための7つの方法です。
1. 自ら前提条件を設定するのは間違いである
仮定に基づいて論を始めると、間違った結論にたどり着くこ
とが往々に生じます。
なぜ仮定を設けるかというと、単に正しい結論に達するために
必須の徹底した調査研究を避けたい気持がどこかにあるので行
動を簡略化するための手段として仮定を作ります。これはとて
も怠惰な態度なのです。小切手を現金にして出口に向った顧客
が、窓口へもどってきて「すみませんが、あなたが間違いをし
たと思います。」と係員に話しかけたという物語をご存知でし
ょうか?
このとき係員はこう答えました。
「すみません、しかし一旦あなたが窓口を離れたら、我々には
一切責任がありません。お渡しした金額を数えるかどうかはあ
なたの責任ですし、窓口を離れたら間違いかどうか判断しよう
がありません。」
顧客はこう言いました。
「なるほど、OK、ありがとう。1000円札が一枚多かった
んだがね、いただいておくよ。」
ヒント: 結論を急いではいけません。結論を出す前に検討材
料がすべてそろっているかどうかもう一度確認してください。