Dr.誠です。
多忙でなかなかBlogが書けませんでした。

今年も10月に、全国の医療関係の労働団体が東京日比谷に集まり、国に対して「医療現場の窮状」とその「対策」を訴える集会が開かれます。毎年ポスターがかわいいので当院ではこの時期いつも掲げるようにしているのですが、いわゆる「左側」の人たちだけでなく、日本医師連盟という政治団体を介して自民党を応援している県下の各医師会の中にも、この趣旨に賛同して応援メッセージを送ってくださっている地域はたくさんあります。そう、これは医療界全体にとって思想の左右関係なく大切な問題なのです。
2023年は医療界にとって、国民にとって、大きな節目の年になってしまいました。60年間守られてきた、我々日本社会の大切な財産である、「国民皆保険」と「保険証」の仕組み。しかし今年の春の通常国会では、その日本の医療そのものが根底から破壊されかねない「(マイナ保険証実施に伴う)従来の保険証の完全廃止」という暴挙が、国会で法律として通されてしまいました。
その問題点についてはこのBlogでも散々語ってきました。署名もやっております。ぜひ皆様にもご協力をお願いしたく存じます。


そして今、大きな問題となっているのが「薬不足」です。


https://x.com/OneMoreChance99/status/1711881866608074852?s=20
幸い当院ではスタッフが頑張って手配してくれているのでそこまで大きな影響はありませんが、風邪の咳どめや痰切りのみならず、様々な薬が市場に不足していることはこうしてメディアでも取り上げられています。
この根本原因は、記事にもあるように、大手ジェネリックメーカーの不正等で出荷調整が相次いでいることが原因ですが、その根本をたどれば「不正でもしなければ薬が作れないほどの」国の低薬価押し付け政策こそが原因なのです。
命に関わるような薬剤であったとしても例えば「1錠10円以下で作れ」「みんなジェネリックにしろ」「全ては社会保障費を減らすため(それは法人税減税と防衛費に使いたいから)」ということを、2015年の経済再生諮問会議から当時の安倍首相と経済界のいうままにずっとやり続けてきて、もう製薬業界はどこも限界まですり減っている。
キーワードは「不正でもしなければやっていけない」です。その「原因政策=低薬価政策」について、メディアは同じようにちゃんと触れなくてはいけません(が政府に歯向かうようなことは一切言わないのが日本のメディアのだらしないところであり、そしてこの30年の衰退の本質だと私は思います)。
人手不足、物価高騰で苦しんでいるのはどこの業界もそうですが、こと製薬業界や医療業界が他と違うのは、それが「公定価格」で決められていて価格転嫁ができないということです。「この値段でやれ」と無理やりダンピングさせられているということです。もう無理なんです。医者も看護師も製薬業界もみんなそう。
そして、なぜ、それが一向によくならないか。それはもちろん、政府とその取り巻き(自民党/公明党/日本維新の会/国民民主党)のせいです。「社会保障費が抑えられれば市民の命も健康もどうでもいい」「マイナ保険証のように周辺企業の儲ける機会になればそれでいい」という彼らのせいです。
と同時に、我々医師の業界団体のひとつである日本医師会の現執行部の認識がいまだに歪んでるから、というのも大きな原因だと私は思っています。この発展途上国のような「命に関わる薬の不足」という惨状に至ってなお、「その原因は政府の長年の低薬価政策のせいだ」と言えない日本医師会。それは現執行部が「(社会保障費全体が抑制されている以上)薬価を下げて(犠牲にして)診療報酬の方を確保せよ」というスタンスの人たちだからです。薬の業界とも共同戦線を張って最低限維持すべきものを守ろうとしないと、医者側だってこうやって困るのに。もう愚かとしか言いようがありません。
今の日本医師会には政府と喧嘩する気は全然ありません。医師会が推薦した武見敬三氏が厚労相になり、自見はなこ氏が万博担当大臣になりましたが、これは政府の毒まんじゅうを食わされただけだと思います。「これで顔立ててやったんだからあとは黙っておけ」とやられるのが関の山。最初に書いたマイナ保険証の件も、国民皆保険を壊しうるとんでもない暴挙なのに、結局「賛成」の旗は降ろさなかった(「政府は丁寧な説明が必要だ」という姿勢にとどまっています)。おそらく将来的に会員である開業医がどれだけ困ろうと、自民党とはケンカできない腑抜けばかりだと思います。本当に情けない。
というわけで、保革を問わず、冒頭の「窮状を形として訴える」ということがどうしても必要になるわけです。組合として記者発表したり、署名を集めたり、集会でこれだけの人が起こっているということを示す必要があるわけです。そしてだからこそ私は、日本医師会のオルタナティブとしての保団連、保険医協会の活動に深く共感しているわけです。同業の皆さんも安穏としてますけど、このままでは本当に国民皆保険は壊されてしまいますよ。
皆さんの力を貸してください。一緒に正義のために声をあげてください。「訴えなければ」、その声は存在しないのと一緒ですから。
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安倍さんが狙撃されて1年が経ちました。この国の衰退の一番の原因は、安倍さんがひたすら大企業と外国のために日本を切り売りして円安が止まらなくなった「アベノミクス」のせいであると、あちこちから評価が定まって来ています。この一年で物価は3%も上がりました。生活は厳しくなって当たり前です。消費税がいきなりさらに3%あがったようなものなのですから。
だったらその分、「3%」ぐらい給料があがったって当然なんです。我々には憲法25条で「生存権」が保証されているわけです。こんな状況ともなれば、保険料の減免やいろんな公的サービスが無償化されて当然なんです。多くの国では市民が「それ」をちゃんと訴えるから、実現する。最低賃金を上げろ、違法な残業を許すな、男女の待遇を等しくせよ、政治家の不正を許すな、環境破壊を許すな、我々の税金をなんの生産性もない戦争の準備に使うな、etc。
ところが我が国では、国会も、岐阜県議会も多治見市議会も、自民党や公明党といった議会の多数派が、例えば「18歳以下の医療費無償化」や「給食費の無償化」といった当たり前の市民の要求に対し、あれやこれや因縁をつけて却下していくわけです。彼らがどの面下げて「市民の代弁者」などと宣えるのか私は全く理解ができませんし、「そんな人たちを支持している人たち」も私は理解できません。応援している人間がそんなことをしていたら、私だったら次の選挙は絶対に応援しません。我々のために戦わない人間なんか議会には要りません。
結局、市民みんなの「無知」「無関心」がひどすぎて、議会が、民主主義が、ちゃんと機能していない、ということなんです。議員や会派の誰が、どんな法案や予算案に賛成したのか、反対したのか、皆さんはちゃんと確認してますか。それは投票した人間の最低限の責務です。それをしないでおいて自分の生活が苦しくなったとしても、それは単なる市民の怠慢としか言いようがない。民主主義というギアを1速しか使わず走っているようなもの。怠惰ゆえに自分で自分の首を絞めているだけです。
そして民主主義の手段は投票だけではありません。署名に一筆書くこと、政治的な話題を知人に投げ掛けること、集会や勉強会に参加すること、議会に対して陳情をすること、仲間を増やすこと、政党について調べてみて気に入ったところを応援すること、寄付をすること、その全てが民主主義の手段です。
政治とは、なにより自分の生活にかかわるものです。未来にかかわるものです。もっと「政治的」であるのが普通なんです。「政治的」でありましょう。もっと思っていることを形にしましょう。空気を読まず。それを放ってきたからこそ、その30年のツケが今、皆さんに降りかかっているわけですから。